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LOHACO事業をめぐるヤフーとアスクルの対立は、成長性への認識違いが原因だった?=シバタナオキ

LOHACO事業に対する認識の違い

仮説1と仮説2の違いは、LOHACO事業の現状認識がどのようになっているかという違いに着きます。

コンサルティングなどでよく利用される、BCGマトリックスを使ってみてみましょう。

日用品eコマースというのは、縦軸のマーケットの成長率は高いと言えるでしょう。

今回の仮説1は、LOHACO事業というのは「花形」事業であり、まだまだ赤字を継続してでも伸ばしていけるという主張をしていることになります。

花形
成長するマーケットで、シェアを持っている花形事業は、大きな売上を上げることができます。同時に成長し続けるマーケットで熾烈なシェア争いを展開してゆくために必要となる費用(新規設備投資など)は膨大なものになるので、お金の持ち出しも多くなります。マーケットが成熟し成長が止まれば、花形は新規設備投資の悪夢から開放され、金のなる木に変化します。

「花形」事業であるからこそ、ヤフーが強奪しようとしているというロジックです。

一方で、仮説2というのは、LOHACO事業は低成長に陥ってしまった「問題児」であり、このまま放っておくと負け犬になってしまうため、今すぐ大胆な改革が必要だという仮説です。

問題児
成長するマーケットで、まだ大きなシェアを獲得できていない問題児の事業は、設備投資などでお金がかさむ一方、シェアが無いので売上は小さく、まず赤字になります。うまくシェアを獲得できれば花形事業になり得ますが、それに失敗すると事業撤退となります。大企業における新規事業やベンチャーの多くは、この状態からスタートすることになります。

まとめ

今回の一連の件では、コーポレートガバナンス論以外に、ここで書いたようにLOHACO事業に対する現状認識が大きくずれている可能性が高いのではないかと個人的には感じました。

決算だけを見ていると、LOHACO事業の低成長が一時的なものなのか、現経営陣による限界なのかまでは分かりませんが、少なくてもこの認識のズレが、今回の一連の大きなトラブルを引き起こした根本の原因のように思います。

皆さんはこれらの数字を見て、仮説1と仮説2のどちらの仮設が正しいとお考えになりますか?

個人的な希望ですが、今回の一連の件をコーポレートガバナンスだけの議論に止めることなく、上場企業の新規事業運営のケーススタディとして有用なものにしていくためにも、ヤフーとアスクルの両者からの、それぞれのビジネス的な見解を期待しています。

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image by: LOHACO

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『決算が読めるようになるノート』 2019年8月13日号『ヤフーは本当にLOHACOを強奪しようとしたのか検証してみる』より抜粋
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