LOHACOにまつわるヤフーそしてアスクルの主張がなぜ食い違っているのか。今回は、あくまでも決算から見た場合に限定して詳しく見ていきたいと思います。(『決算が読めるようになるノート』シバタナオキ)
※本記事は有料メルマガ『決算が読めるようになるノート』2019年8月13日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
ヤフーは本当にLOHACOを強奪しようとしたのか検証してみる
LOHACO事業を巡る、ヤフーとアスクルの間のやり取りとは
ヤフーとその連結子会社であるアスクルの間で、LOHACO事業を巡っていざこざがあり、株主総会での強権発動により、前社長と3名の独立役員がすべて再任されない、という結論になりました。
この件を巡っては、特にアスクル側から、コーポレートガバナンス論を用いた激しいPRが行われ、ヤフーによるLOHACO事業の強奪のような印象を強く抱いた人も多いのではないかと思います。
指名委員会が取締役を推薦した後に、株主総会で、取締役の一部の就任を否決するというのは、親子上場をしている中で少数株主を無視しているという意見は全くその通りだと思いますし、今回のヤフーの一連のやり方は、少なくてもあまり好ましいものではないと今でも個人的には思っています。
一方で、株主総会前後に開示されている決算の数字を見ると、必ずしもヤフーの行おうとしていたことが悪であったとも思えない一面もあるため、今回はその内容を記事にしてみたいと思います。
なお、親子上場の是非や、コーポレートガバナンスガバナンス論に関しては他のいろいろなところで既に議論がしつくされているかと思いますので、今回は触れません。
今回の記事では、あくまでも決算から見た場合に、ヤフーそしてアスクルの主張がなぜ食い違っているのか、どちらに是非があるのかというのを詳しく見ていきたいと思います。
はじめに、今回の一連の問題で主役になっているLOHACO事業を詳しく見てみたいと思います。