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中国の貿易縮小が止まらない。対米貿易戦争「ボロ負け」で経済は貧血状態に=斎藤満

対中投資制限は危険な賭け

米国の中国に対する姿勢は、この「部分合意」とは裏腹に、別の面では一段と強硬になっています。

例えば、前にもご紹介した米国の中国企業に対する投資制限の動きが始まっていることです。

関税策が輸出など「実物経済」に負担となる一方で、対中投資制限は、中国の金融面、特にドル資金調達に大きな制約となり、これが中国経済には「貧血」を起こす要因になりかねません。

中国企業はすでにGDPの2倍を超える巨大な債務を抱えていて、その中にドル建て債務など、外貨建ての債務も少なくありません。

そもそも、中国がここまで高い成長を維持してこられたのも、海外からの投資マネー、資金流入によって支えられた面が大きいと言われます。

その投資マネーが制限されれば、それだけ中国の成長力は低下します。さらに返済用の資金調達にも窮します。

米国の中国経済への攻撃は、輸出など実物経済面からだけではなく、金融と両面からの攻撃となりつつあります。金融が制限されると、仮に貿易摩擦が解消しても、中国経済は成長が大きく制約されます。

そして最近では中国の人権問題にも米国が口を挟むようになっています。新疆ウイグルでのイスラム教徒の弾圧や、香港での市民弾圧に、米国は強い関心をもっていて、ウイグル族問題では中国政府の関係者に制裁を科す動きが始まりました。香港でも人権弾圧となれば、米国が動く可能性があります。

Next: 日本を襲う「想定外」に安倍首相や黒田総裁はどう動く?

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