自分が見たいものが何もやっていない
そして、普通の人には何が面白いのか分からないようなものですらも、そうした動画を好んで見ている少数の人が存在する。テレビが決して取り込めない膨大で無限の「少数」をインターネットは大量に取り込む。
それは検索でいつでも探すことができて、いつでも見ることができて、関連動画を辿るといくらでも深掘りができる。誰でも参加ができて、全世界の人たちの動画を見ることができる。
もはや、インターネットの動画はテレビなど完全に超えている。5Gの時代が本格的に到来すると、インターネットの動画はさらに質と量を爆発的に上げてくる。
5Gの時代というのは「テレビが本格的に死んでいく時代」である。
「テレビがつまらなくなった」というのは最近は本当によく言われることなのだが、それは当然だ。
すでにインターネットで自分が見たいものがいつでも見られる時代になっているわけで、それに比べるとテレビは自分が見たいものが何もやっていないので「つまらない」と感じるようになっていくのである。
若年層はインターネットに軸足を移して「テレビはほとんど見ない」ようになる。そうするとテレビはインターネットに馴染まない高齢者ばかりが見るものになり、必然的に高齢者が好む番組ばかりになる。
すると、ますます若年層はテレビを見なくなっていく。
負のスパイラルにテレビが陥ろうとしている。
インターネットがテレビを圧倒する
最近はドラマもNetflix(ネットフリックス)のような企業が独自番組を制作し、インターネットで流すようになってきている。この流れにアップルやアマゾンやディズニーも続いていく。
インターネットの動画は、テレビでも、パソコンの画面でも、タブレットでも、スマートフォンでも見られる。通勤時間でも、ちょっとした休憩時間でも、それこそ道ばたでも好きなドラマを好きな時に観られる。
スポーツ番組も、メジャーなスポーツからマイナーなスポーツまで、あらゆるものがインターネットに揃っている。アニメも子ども向けの番組も、インターネットの方が充実していくことになる。
ニュースもインターネットの方が早く、しかも現地の人々の反応までリアルタイムで情報が流れてくる。
インターネットの場合、一次情報は「マスコミ」ではなく「現場の人」であることもしばしばだ。だから、マスコミもインターネットで情報を拾って、インターネットの画像をテレビで流すような番組構成になってしまっている。
テレビがインターネットの後追いになっている。