fbpx

バブル崩壊前の1989年も国債が先に下落していた…この後、株価が下落するリスクシナリオ=久保田博幸

ひとつのリスクシナリオとしてのバブル崩壊の可能性

過去のことを引き出して何が言いたいのかと問われそうだが、現在の相場状況が当時と似ている気がしたため、当時の状況を確認してみたのである。もちろん市場を取り巻く状況は大きく異なる。

しかも当時のバブルは日本だけで起きた特異な現象であり、国内での過去の出来事がいろいろと積み重なって生じたものといえる。

今回については米国を中心に日米欧な株価の上昇と国債の価格上昇が重なっていた。米国の株価指数はファンダメンタルズからはやや乖離した格好で過去最高値を更新した。この背景には中央銀行の金融緩和が大きな影響を与えていた。

株価が高値を更新し続けているなか、国債の価格が下落し始めた。ここからの中央銀行の追加緩和策はかなり限定されることも予想され、引き締めに転じることは仮になくても金融緩和で市場をフォローするにはどうやら限界も出てている。となれば財政政策となるかもしれないが、これは国債価格の下落に火に油を差すような事態ともなりかねない。

これはあくまでひとつのリスクシナリオであり、不安を煽るつもりはない。今回の国債の下落もあくまで一時的な調整という見方が素直で、いずれ歯止めが掛かり、株式市場ではゴルディロックス相場が続くことも当然ありうる。

ただ、今回の国債の下落相場をみて、ふと1989年当時の自分の記憶が蘇ったことで、
このようなシナリオもありうるかと思った次第である。


※『牛さん熊さんの本日の債券』は、毎営業日の朝と夕方に発行いたします。また、昼にコラムの配信も行ないます。興味を持たれた方はぜひこの機会に今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

【関連】日本経済はアベノミクスで停滞…アメリカに唆されて進んだ、円安がもたらす銀行の危機=吉田繁治

【関連】日銀は金融政策の維持を決定、メディア各社が報じた「追加緩和の可能性」は正しいのか=久保田博幸

【関連】天才投資家バフェットが警鐘。なぜ日本人は収入が途絶えた老後から投資をするのか?=俣野成敏

image by : ImageFlow / Shutterstock.com

1 2

牛さん熊さんの本日の債券』2019年11月11日号より
※記事タイトル・リード文・本文見出しはMONEY VOICE編集部による

初月無料お試し購読OK!有料メルマガ好評配信中

牛さん熊さんの本日の債券

[月額1,100円(税込) 毎週月・火・水・木・金曜日(祝祭日・年末年始を除く)]
金融サイトの草分け的な存在となっている「債券ディーリングルーム」の人気コンテンツ、「牛さん熊さんの本日の債券」がメルマガとなりました。毎営業日の朝と引け後に、当日の債券市場を中心とした金融市場の動きを会話形式にてお伝えします。さらっと読めて、しっかりわかるとの評判をいただいている「牛さん熊さんの本日の債券」をこの機会にぜひ御購読いただければと思います。

いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー