米国経済に想定以上の大打撃
数値で表わすと次のような値が、GDP押し下げ要因となる。
1〜3月期:マイナス1.8%寄与
4〜6月期:マイナス3.1%寄与
7〜9月期:ゼロ%寄与
10〜12月期:2%寄与
この予測結果では、驚くべき成長率の落ち込みとなる。かつて、伝染病による経済への影響は、一過性であった。だが、今回の新型コロナウイルスは、大きな影響を与える。
その要因は、以下のような要因が考えられる。
(1)中国にサプライチェーンの中核がある
(2)グローバル経済の形成により、各国でサプライチェーンが交差している
(3)サービス消費への比率が高まり、伝染病への恐怖感が高まり影響を受ける
世界経済の牽引車である米国が、新型コロナウイルスの影響で上半期にマイナス成長へ落込む公算が大きいのである。
そうなれば、震源地の中国経済がいち早く回復するとは考え難い。加害者が、被害者よりも被害軽微という構図は想像できないであろう。
韓国経済は壊滅的打撃
韓国経済は、米中経済の落込みでどのような影響を受けるのか。先ず、韓国の貿易構造を見ておきたい。
韓国の貿易構造(2018年 JETRO調査)の国別構成比は、次のようになっている。
輸 出 輸 入
中国:26.8% 19.9%
米国:12.0% 11.0%
日本: 5.0% 10.2%
韓国での輸出1位は中国、2位が米国である。米中の合計は38.8%だ。約4割にも達しているので、今年の韓国経済に死活的な影響を与えるであろう。
韓国自体が、新型コロナウイルス感染者数で、すでに計6,284人(3月6日午前0時現在)となっている。死者は計43人である。この状態から推測するに、韓国経済は内外要因によって、壊滅的な打撃を受ける恐れが強い。
このことから、最も警戒すべきは通貨不安の再燃である。すでに、1ドル=1200ウォンの「マジノ線」を、しばしば割り込んでいる。韓国銀行(中央銀行)と思われる介入で、1200ウォンを深く割り込まないように警戒している様子が分かる。
投機筋が、相場の抵抗線を試しているようにも見える。過去2回、通貨危機を迎えて大事に至っている韓国だ。投機筋が、どの地点でウォンを売り浴びせてくるか、気を許せない局面であろう。
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