バフェットだって含み損を抱える
指針となるのが、バフェットのポートフォリオです。以下は最新のアニュアルレポートに掲載されたポートフォリオです。
一番右の列(Market)から右から二番目の列(Cost)を引いたものが含み益です。これを見ると、1銘柄も含み損がないことがわかります。アメックスやコカ・コーラなど、昔から持っている銘柄ほど、含み益が大きいことがわかります。
しかし、2008年のリーマン・ショック後のポートフォリオを見てみましょう。マーカーを引いたものが含み損となっている銘柄です。
これを見ると、ほとんどの銘柄が含み損となっていることがわかります。バフェットですら、マーケットタイミングを図ることは難しいのです。
すなわち、私たちは目の前の株価の動きで売買を判断すべきではないということです。私たちが見るべきはあくまで長期の業績であって、目の前の含み損は一時的な相場の気分にすぎないのです。
この株価下落を受けて、割高感のある銘柄はかなり売られました。すなわち、この中から業績を伸ばせる銘柄を買って持ち続ければ、プラスになって大きく羽ばたく可能性が高いということです。長期投資を始めるには、かなり良いタイミングだと思います。
こういう話をすると「まだ早い」「株価が下がるのが不安だ」という声が聞こえてくるのですが、それは目先数ヶ月の話でしょう。私たちが見ているのは、数年後の未来です。一時的に含み損を抱えるかもしれませんが、長い目で見ればそれは問題になりません。
バフェットだって、相場次第では含み損を抱えることも珍しくないのです。それほど、市場の雰囲気は読めません。だからこそ、そのようなことは気にせず、ひたすら良い銘柄を探して安く買い付ける。今私たちがすべきことはこれに尽きるのです。
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