米国で「失業ラッシュ」が始まった
今週末4月3日に発表される「3月分の米雇用統計」自体は、3月14日までの週に調査され、この異常な数字は入りません。しかし4月分では、異常な雇用減少、失業率の急騰が予想されます。
米国でも営業停止、レイオフがどんどん広がっていて、感染拡大が止まらないと、経済の再開も展望できない状況にあります。
このため、FRBのパウエル議長もついに景気後退入りを認め、4-6月は大幅なマイナス成長を予想しました。
コンファレンスボード(日本の経団連に近い)は、ウイルス感染の拡大が4月半ばに止まり、5月に経済が再開されても、今年の米国経済はマイナス1.5%成長に落ち込み、失業率は8%に達すると予想。感染が9月までずれ込めば、GDPはマイナス6%に、失業率は15%に高止まりすると予想しました。
セントルイス連銀のブラード総裁は、失業率が30%に達すると、大恐慌以来の危機的な状況を予想しました。
日欧も大幅マイナス成長へ
日本でも3月の「月例経済報告」が、これまでの「緩やかな拡大」の文言を削除、コロナウイルスの影響で景気は厳しい状況にある、との認識に変わりました。
実質的に景気後退を認めた形になります。
昨年10-12月のマイナス7.1%(年率)に続いて、この1-3月もマイナス5%前後になると見込まれ、2期連続のマイナス成長がほぼ確実となりました。
これは国際的な「景気後退」の条件です。
もっとも、日本経済はすでに2018年秋をピークに、その後景気後退に入っている可能性があり、それが長期化しただけとも言えます。
問題は1-3月にとどまらず、4-6月もウイルス感染の拡大で首都封鎖など、経済活動の停止が広がり、さらにオリンピックの1年延長も決まり、マイナス成長となる可能性が高くなったことです。
7-9月も本来予定されていたオリンピックがなくなる分、景気低迷は続きます。
そうなると、日本のGDPも19年度のほぼゼロ成長のあと、20年度は後半によほどの回復がないと、マイナス5%近くに落ち込む可能性があります。