新型コロナウイルスの感染急増による緊急事態宣言が7日夕方にも発令され、東京都が特別措置法に基づく休業要請を商業施設等に対して行うことを検討している(共同通信)が、これに先駆けてルミネが6日、4月8日から当面の間、食品など一部を除く首都圏14館の店舗を臨時休業することを発表した。
ルミネが4月8日から臨時休館すると発表。休館期間は営業再開は緊急事態宣言が解除されるまでを予定。https://t.co/C4y8JWaAQs
— FASHIONSNAP.COM (@fashionsnap) April 6, 2020
ルミネ新宿によると、臨時休館は緊急事態宣言が解除されるまでを予定しているという。
全館休業するのは、ルミネ新宿、ルミネエスト新宿、ニュウマン新宿、ルミネ池袋、ルミネ有楽町の5店舗で、ルミネ大宮、ルミネ北千住、ルミネ立川、ルミネ横浜、ルミネ荻窪、ルミネ町田、大船ルミネウィング、ルミネ藤沢、ルミネ川越の9店舗は、食品などのテナントを除いて休館する。
WWDはルミネ広報担当者の「ビジネスへの影響は大きいが、今は国難ともいうべき局面。お客さまやスタッフの安全を第一として決断した。同時に、閉店を余儀なくされるテナントへのケアも考えたい」というコメントを紹介しているが、ルミネの休館を受け、各テナントは同日から対応に追われたようだ。
ルミネのほか、首都圏に複数の店舗を構えるアパレル関係者は、「他の商業施設と比べ、駅直結のルミネの店舗売り上げはそれほど落ち込んではいなかった。店舗スタッフを休業させることになるが、国からの補償も店舗の売り上げもない中、賃金をどうすべきかと頭を悩ませている。早急にケアしないと、アルバイトスタッフなどが家賃を払えないことになりかねない」と苦しい胸の内を語った。
ZOZOTOWNやファッションウォーカーなどの通販サイトは通常通り運営し、商品の発送などにも対応するが、休業後、テナントスタッフの立ち入りを禁じる商業施設もあり、大量の商品が在庫化する懸念もあるという。
同アパレル関係者は、「休業を要請するのであれば、補償があって然るべき。補償がなければ、店舗以外の部分でどうにか売上を作ろうと本社スタッフを稼働させることになる。商業施設の休業中も、EC等での売上を強化するため、スタッフが交代で動くことになる」と話し、政府の対応に疑問を呈した。
FASHIONSNAP.COMは、ルミネが出店テナントへの救済策として最低保証賃料を減額する特別措置を実施したこと、三越伊勢丹ホールディングスやエイチ・ツー・オーリテイリング、そごう・西武では現時点で導入している施策はないことを伝えているが、新型コロナで打撃を受けているのは商業施設に店舗を構える小売や飲食店だけでなく、百貨店等も同じだろう。
緊急事態宣言で休業を「要請」するだけではなく、「補償」をしっかり打ち出さないことには、多くの国民が日常生活を送ることすら困難になりかねない。政府は、布マスク2枚を配布する、ごく限られた人にだけ30万給付するというけち臭い対策だけで、コロナ禍を乗り越えることができるとでも思っているのだろうか…。
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