fbpx

日本も追従する?中国で地方都市・農村向けビジネスが大流行しているワケ=牧野武文

下沈市場というフロンティアを発見できる中国ビジネスの強み

経済の成長というのは、人口ボーナスに依存をしています。どの国でも、ベビーブーマー世代が成人する頃に経済が成長します。人数が多いのでモノがたくさん売れる。景気がいいので給料が上がり、よりたくさんのものが買えるようになるという好循環が生まれるからです。

中国では、2回のベビーブーマーによる経済成長がありました。しかし、今後は、この人口ボーナスを期待することはできません。そこで、下沈市場という今までとは異なる新たなフロンティアを発見し、そこからピンドードーという成功例も生まれているのです。

改革開放が始まったとき、トウ小平は先富論を基本原則にすると訴えました。「私たちの政策は、一部の人を先に豊かにするためのものです。その豊かになった地区が、落伍している地区のお手本となり、手を差し伸べるというものです。先に豊かになった地区が、落伍している地区を助けることは義務なのです」というもので、このようにして、中国全体を豊かにするというものでした。

しかし、実際には、落伍した地区の安い労働力を使って、豊かになった地区の人々は自分の生活を楽しんだのです。それが長い時間かかって、ようやくトウ小平が思い描いた理想が実現されようとしています。

ちなみにピンドードーを創業したホワン・ジェンは、浙江大学を卒業後、ウィスコンシン大学に留学し、そのままグーグルに入社したエリートです。グーグル中国の立ち上げに伴って帰国をし、辞職後、ピンドードーを起業して成功しました。

起業した当時は、地方市場を狙ってもうまくいくわけがないと投資家から言われ、都市住人からは「貧乏人のEC」とバカにされました。

こういうスーパーエリートが、地方都市の構造を熟知をし、そこにうまくハマるビジネスを、スマホ、EC、ソーシャルといったテックを組み合わせて作り上げる。個人的に、こういう深みのある発想ができることに、中国テックビジネス業界の懐の深さを感じます。

続きはご購読ください。初月無料です

【関連】中国で盛り上がる「彼女ゲーム市場」とは何か?日本のゲームをも変える“Pay to Fun”方式=牧野武文

【関連】Amazonや楽天も潰される?中国第2位のECに急浮上「拼多多」とは何者か=牧野武文

【関連】実は中国格安スマホが最先端?注目企業「OPPO」「VIVO」創業者を育てた段永平の才覚=牧野武文

【関連】いつ日本のスマホ決済は中国に追いつくのか?アリペイに学ぶ「爆発的普及」の条件=牧野武文

【関連】レナウン、コロナ倒産ではない? 中国企業との取引に潜むリスクと、破綻の真相=澤田聖陽

<初月無料購読ですぐ読める! 7月配信済みバックナンバー>

※2020年7月中に初月無料の定期購読手続きを完了すると、以下の号がすぐに届きます。

2020年7月配信分
  • vol.027:中国に残された個人消費フロンティア「下沈市場」とは何か?(7/6)

いますぐ初月無料購読!


※本記事は有料メルマガ『知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード』2020年7月6日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

<こちらも必読! 月単位で購入できるバックナンバー>

※初月無料の定期購読のほか、1ヶ月単位でバックナンバーをご購入いただけます(1ヶ月分:税込550円)。

2020年6月配信分
  • vol.026:中国インバウンド客はいつ頃戻ってくるか?(6/29)
  • vol.025:ポイント還元をむしゃぶりつくす羊毛党とその産業構造(6/22)
  • vol.24:ゲーム業界から注目される女性プレイヤー。「彼女ゲーム市場」とは何か(6/15)
  • vol.023:即時配送が変える小売業態。新小売と社区団購(6/8)
  • vol.022 OPPO、vivoを生んだ歩歩高とその創業者段永平(6/1)

2020年6月のバックナンバーを購入する

2020年5月配信分
  • vol.021 感染拡大で実戦投入された人工知能テクノロジーの数々(5/25)
  • vol.020 経済復活の鍵は「ライブEC」。感染拡大から広がる新たな販売手法(5/18)
  • vol.019 生き残りを賭ける飲食業。鍵は「外売」(デリバリー)(5/11)
  • vol.018 ニューノーマル。終息後の新日常は、以前とどう変わるのか?(5/4)

2020年5月のバックナンバーを購入する

2020年4月配信分
  • vol.017 アリババとテンセント。ECビジネスをめぐる衝突(4/27)
  • vol.016 敗走するアマゾン、カルフール。理由はグローバルとローカルの衝突(4/20)
  • vol.015 中高年にスマホ決済を浸透させた台湾庶民派スーパー「PX Mart」の取り組み(4/13)
  • vol.014 1日で4.1兆円売り上げる「独身の日」は、どのように生まれたのか?(4/6)

2020年4月のバックナンバーを購入する

2020年3月配信分
  • vol.013 1日で420億円の商品を売る。網紅の桁外れの販売力の仕組み(3/30)
  • vol.012 広告メディアとしてのTik Tok。その驚異のコンバージョンの秘密(3/23)
  • vol.011 人口ボーナス消失とZ世代。経済縮小が始まる(3/16)
  • vol.010 中国テック企業は、新型コロナとどう戦っているか(3/9)
  • vol.009 潜在顧客を掘り起こし、リピーターを育成するモバイルオーダー(3/2)

2020年3月のバックナンバーを購入する

2020年2月配信分
  • vol.008 新小売戦略の要となったフードデリバリー「外売」(2/24)
  • vol.007 ミニプログラム活用で新規顧客を獲得する店舗小売(2/17)
  • vol.006 中国のEVシフトは成功なのか。それとも失敗なのか?(2/10)
  • vol.005 第2位のECに浮上した拼多多とは何ものか?(2/3)

2020年2月のバックナンバーを購入する

2020年1月配信分
  • vol.004 ファーウェイと創業者、任正非(1/27)
  • vol.003 シェアリング自転車は投資バブルだったのか(1/20)
  • vol.002 アリペイとWeChatペイはなぜ普及をしたのか(1/13)
  • vol.001 生鮮ECの背後にある前置倉と店倉合一の発想(1/6)

2020年1月のバックナンバーを購入する

image by:Hung Chung Chih / Shutterstock.com
1 2 3 4 5 6

知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード』(2020年7月6日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

初月無料お試し購読OK!有料メルマガ好評配信中

知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード

[月額550円(税込) 毎週 月曜日 発行予定]
急速に発展する中国のITについて、企業、人物、現象、テクノロジーなど、毎回1つのテーマを取り上げ、深掘りをして解説をします。

いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー