プラットフォームとしてのLINEの可能性は止まらない
LINEの現在の収益構成は、コンテンツ41%、コミュニケーション24%、広告30%、その他5%となっています。「コンテンツ」はゲーム、「コミュニケーション」はスタンプが中心です。
ゲームは「ディズニーツムツム」や「LINEポコポコ」など、LINEのユーザー層に合わせたライトなものです。スマートフォンのゲームらしく最初は無料でプレイでき、そこから先の課金による収入が中心になっていると考えられます。ゲーム内の課金もフリーミアムモデルのひとつと言えます。
様々な絵を相手に送り、トークを賑やかなものにしてくれるのがスタンプです。LINEがこれだけブームとなったのもスタンプの貢献が大きいと思います。無料のものもありますが、お金を払えば様々なスタンプを購入することができ、さらに誰でも自分で作ったスタンプを売ることができます。これまでのインターネットサービスの中で異質とも言えるビジネスですが、スタンプもフリーミアムモデルです。
主要な収益源の中で、今最も伸びているのが広告です。スマートフォンはPCと違い広告スペースが限られるので、ヤフーのような大規模な広告キャンペーンは打ちにくいと考えられます。その代わり、メッセージングアプリの利点を活かしたダイレクトマーケティングが可能となります。
これは大企業の広告だけでなく、喫茶店のような個人商店でも十分に使える機能です。広告主の幅が広がることで、LINEにとって安定的な収益源になっていくと考えられます。
ここまでに挙げた事業により、2015年には約1,200億円の売上高を記録しています。しかし、まだまだ手を緩める気配はありません。
先月には月500円からスマートフォンが持てる上、「LINE」「Facebook」「Twitter」が使い放題となる「LINEモバイル」を今夏に開始することを発表しています。また、LINEで決済が可能になる「LINE Payカード」の発行も開始しています。
「LINEモバイル」も「LINE Payカード」も、すぐに利益が出るような事業ではありません。特に「LINEモバイル」は、激化するMVNO競争の中で収支的には相当苦しい状況になるでしょう。
それでも新規事業を続ける理由は、LINEが掲げる「プラットフォーム戦略」にあります。
プラットフォームとは、あらゆる動作の土台となるもののことです。PCで言えば、OSであるWindowsにあたります。メッセージングアプリの「LINE」を土台として、様々なサービスに広げていこうという考え方です。