国内で完全なワーケーションを実現できるのは、フウテンの寅さんだけ
私も外資系のコンサルティングファームにおりましたので、いわゆる「Thought Leadership」と呼ばれる業界でのトピックやトレンドをぶち上げて、市場を引っ張るために新しい言葉を持ち出してくるという手法はよく存じ上げております。
しかし、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)やクラウドなどは確かにIT業界でも根幹をなすキーワードになったものの、グリッドコンピューティングなどは発想こそ話題にはなりましたが、結局うまく実現できていないのが実情で、一時的なフラッグシップワードになりはすれども、現実のものにはならないことが多くあります。
「ワーケーション」も個人的な感想から言えば、ノマドワーキングなどとはあまり違いが感じられず、コンセプトはわかりますが、リアリティのない荒唐無稽な発想と言わざるをません。
そもそもこの手の横文字を持ち出して驚かしでメディアを引っ張るのは、東京都の小池都知事の専売特許で、天敵の菅官房長官が口にするのはかなり意外です。
冷静に考えて見ますと、国内でワーケーションをやってのけているのは、カバン1つで地方の旅に出て万年筆やらなにやらを祭りの夜店で販売するテキ屋稼業がもっともマッチしているように見えます。
菅官房長官は、6,500万人に及ぶ生産労働人口はテキ屋になって地方を巡業しろと示唆しているのでしょうか?
これでは到底、経済が持ちこたえられない
悪い冗談はともかく、すでに当メルマガでもお伝えした通り、国内経済は2018年10月をもって拡大を終了していたと政府が認定しています。
国がはっきり言わなくても、その後のGDPの縮減を見れば、実はすでにテクニカルリセッション入りしていることは間違いないとわかります。
そんな最悪の時期に無理やり消費税を増税し、さらに年明けには新型コロナ感染で大ダメージを受け、しかもこの夏にはその第2波の到来を受けているわけです。
そんな中で10万円の給付金とマスクだけを配布されても、かなりの国民が経済的に生きていかれない状況に陥っているのはほぼ間違いない状況です。
日米ともに株価だけは高いので、あまり国民にも景気がどん底であるという危機感はないのかもしれません。
しかし小売りのビジネスでは、もはや立ち行かない業態・店舗は満載で、ワーケーションなどを考えている場合ではなくなっている状況です。