コロナ倒産が全国で400件を突破したと帝国データバンクが発表。無為無策の安倍政権下では、年末までにさらに企業破綻が加速します。脳天気な市場の株高にも限界が見えてきました。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)
※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2020年8月6日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。
中小企業の倒産ラッシュが始まった
8月3日、国内の企業動向をもっとも的確かつ迅速につかんで公開してくれる帝国データバンクが、コロナ倒産について新たな数字を公開してかなり話題になっています。
それによりますと、負債1,000万円未満および個人経営者も対象という相当ミクロな数字を入れた新型コロナウイルス関連倒産は全国で400件を突破。負債総額は、8月3日時点で2,394億8,500万円に達している状況になっているようです。
※参考:新型コロナウイルス関連倒産 – 帝国データバンク
国内ではなかなか中小企業を含むミクロの状況というものがリアルタイムには判らないものですが、この内容はかなり克明に市場における中小事業者の足元の状況を示しているものとなっています。
「破綻」と一口に言いますが、今回の中小事業者の破綻はいわゆる清算・消滅を前提とした破産が298件、再建を目指した民事再生法適用を狙うものが30件、破産申請を目論む事業停止が72件という内訳とのこと。
破綻案件全体の92.5%が事業消滅となる見通しであるということですから、相当に深刻な状況です。
都内の銀座などを歩いてみても、老舗と呼ばれた店が続々と閉店しており、集合ビルなどでは料飲店の閉店の張り紙がひどく目立つ状況です。夜の接客を伴う店はかなり壊滅的な状況ですが、それだけではなく、都内の駅前ビルなどでの飲食店や食品の販売店なども驚くほど閉店しています。
街で見かけているだけでは、これらの閉店がどれだけ破綻につながっているのかはまったく把握できませんが、どうやらそのかなりの部分が破綻の道を選んでいることがうかがわれる状況です。
消費増税で疲弊していた中小企業にコロナがトドメ
この帝国データバンクの分析を見て気になるのは、この400件の倒産は、必ずしもコロナで好調な経営がいきなり破綻に及んだわけではなく、多くの事業者がコロナ大感染の前段階から経営状態が悪化し、コロナが最後の息の根を止める引き金になっていることです。
ただ、考えて見れば当たり前の話です。内閣府はつい最近になって、まるでコロナ禍のドサクサに紛れるように、景気拡大は2018年10月で終了していたと発表しました。
ここ2年は景気が下り坂にさしかかっており、しかもまんまと2019年10月には消費税増税を実施してしまったわけですから、どの中小企業でも相当経営が弱っていたところに、新型コロナ感染が襲ってきてひとたまりもなかったというのが現実の状況なのでしょう。
7月に入ってからは「Go To キャンペーン」が始まっていますし、8月はお盆の帰省も個々人の自己判断に委ねられていますから、数週間後にさらに爆発的な感染者拡大に直面してもなんらおかしくはない状況です。
安倍政権の無為無策による負の成果がどこまで拡大してしまうのかが、これからの大きな焦点になりそうです。