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「一流企業の男と結婚しろ」毒親の言葉が子どもを生き地獄に落とすワケ=鈴木傾城

社会的な環境が悪化したら一瞬で状況が変わる

銀行はひとつの例だ。家電も製造業も需要やニーズを読み違えるとすぐに赤字が積み上がって倒産寸前にまで追い込まれるし、インバウンドに関連した企業もコロナのようなパンデミックが起こるとあっという間に斜陽と化す。

日本旅行業界の絶対王者と言われているのはJTBだが、やはり王者であっても2020年のコロナショックでは壊滅的な打撃を受けていて、7月8日には社員約1万3,000人に対して「冬のボーナスを支給しない」と異例の通告を行っている。

HISも2019年11月から20年4月の半年間の連結純損益は34億円の赤字となっており、後半にかけても回復の見込みはない。近畿日本ツーリストもKNT-CTホールディングスも阪急交通社も壊滅状態だ。

社会的な環境が悪化したら、一流企業だろうが何だろうが一瞬にして存続の危機に陥る。そんな事例を私たちは2020年の今、現在進行形で観察している。

一流企業の社員と結婚していたら人生安泰など、いかに甘い発想であるかというのが分かるはずだ。

その肩書きはかなりの確率で失われてしまう

結婚した時は一流企業の社員であっても、3年後には転職してどこの馬の骨とも分からない人間になっているかもしれないのが今の時代なのだ。一生のうち、会社は何度か変わる確率の方が高い。

「一流企業の社員と結婚しなさい」というのは、言ってみれば昭和とともに終わってしまった価値観であると言える。それは終身雇用と年功序列のシステムが機能していた時代の価値観なのだ。

一流企業の社員という属性が重要で結婚したのなら、そうでなくなった場合は結婚生活は意味をなくすことになる。かつては、その属性は滅多に変わることはなかったのだが、今は違う。社会環境は10年経たずに激変し、そのたびに一流企業であっても一瞬にして立ちゆかなくなる。

そして立ちゆかなくなった企業がリストラを断行する。そして、一流企業の社員は気が付いたらその肩書きが消えてしまう。

Next: 組織に依存していると死ぬ。現代は「個人で何とかしろ」という社会だ

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