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なぜ日本だけ消費が戻らないのか?米国と中国はすでに前年水準を回復=吉田繁治

消費税不況にコロナが追い撃ち

2020年の1月からは、日本経済は明確に「増税不況」になっていました。

政府は、消費税増税分を社会福祉に回すので不況にはならないと説明していましたが、それは政権の曲説です。社会福祉を、消費税2%の分(年間5.4兆円)増やしたわけではなく、同じだったからです。5.4兆円は、世帯の平均所得が減っている国民の新たな負担になったのです。

<2020年1月から7月の家計消費(前年同月比)>

※2020年の2人以上の世帯
1月:96.7%(消費税不況)
2月:96.5%(同上)
3月:92.6%(同上)
4月:86.9%(消費税不況+コロナ不況)
5月:86.8%(同上)
6月:98.1%(同上)
7月:91.7%(同上)

3月末から外出自粛から、20年4月には、家計消費が前年比マイナス13.1%になっています。5月はマイナス13.2%です。

新規感染が減った6月には、緊急事態の解除と、家計への補助金(1人あたり10万円)から、家計消費は、前年比マイナス1.9%に上昇しましたが、2%の消費税分は、減ったままでした。

7月末からは、東京を先頭に、新規感染の確認数が増えて、緊急事態宣言はなかったものの、店舗売上、観光、外食は減り、家計消費はマイナス8.3%に落ちています。

この点が世界と違う点です。政府が家計に1人あたり10万円の補助金を出し、GoToキャンペーンで約30%の観光割引を加えても、家計は消費を減らしたのです。

平均所得の増加も止まった

日本の世帯所得はどうなったか。以下の通りです。

<2019年世帯所得(前年同月比)>

※現役の勤労者世帯2人家族以上のみ
7月:+1.1%
8月:-2.1%
9月:-0.4%
10月:-0.5%(世帯所得の減少のなかで、消費税+2%)
11月:+1.9%
12月:-1.9%(賞与の平均額の減少)

以上のように、普通の年度には2%は所得が増える、現役の勤労者世帯2人家族以上のみでも、2019年から平均所得の増加は止まり、特に賞与の部分が減少する傾向になっていたのです。
※参考:家計調査報告(2020年7月分) – 総務省

この世帯所得の減少は、株価の上昇、つまり株主世帯700万人(12%)の株式資産が15%増加したことにより、カモフラージュされていたのです。

(筆者注)2019年12月の日経平均は2万3,000円台と高く、18年12月末に対して3,000円(15%)上がっていたためです。東証3,000社の株価時価総額では、日経平均で15%の上昇は100兆円に相当します。世帯の持ち分は約20%です。世帯にとって20兆円の株式資産の増加だったのです。

消費税2%アップは経済を縮小させただけ

また、20年の1月から3月は、消費税増税分(2%)に近い世帯所得の増加がみられています。

<2020年世帯所得(前年同月比)>

※現役の勤労者世帯2人家族以上のみ
1月:+2.1%
2月:+1.7%
3月:+1.5%
4月:+0.9%
5月:+9.8%(政府の家計補助金)
6月:+15.6%(同上)
7月:+9.2%(同上)

しかし消費では、前年当月比で、20年1月96.7%、2月96.5%、3月92.6%と「増税不況」が続いていたのです。商品本体価格の10%という、キリのいい数字のもたらす心理効果が加わっていたでしょう。

今回の増税2%は、「政府の総税収の増加(5.4兆円)にはならない」ことが20年1-3月期に、分かったのです。財政再建にはつながらず、経済を縮小させただけの増税でした(財務省の失政です)。

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