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選挙に勝って中国に負けるトランプ。次の4年間で米国は凋落する=江守哲

米大統領選が迫っているが、結局、勝つのはトランプだろう。そしてその後の4年間で米国は凋落するだろう。その責任を取らされるのがトランプ大統領である。残念ながら、米国は中国に負けたのである。(『江守哲の「ニュースの哲人」~日本で報道されない本当の国際情勢と次のシナリオ』江守哲)

本記事は『江守哲の「ニュースの哲人」~日本で報道されない本当の国際情勢と次のシナリオ』2020年9月25日号の一部抜粋です。全文にご興味をお持ちの方はぜひこの機会に、今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:江守哲(えもり てつ)
エモリキャピタルマネジメント株式会社代表取締役。慶應義塾大学商学部卒業。住友商事、英国住友商事(ロンドン駐在)、外資系企業、三井物産子会社、投資顧問などを経て会社設立。「日本で最初のコモディティ・ストラテジスト」。商社・外資系企業時代は30カ国を訪問し、ビジネスを展開。投資顧問でヘッジファンド運用を行ったあと、会社設立。現在は株式・為替・コモディティにて資金運用を行う一方、メルマガを通じた投資情報・運用戦略の発信、セミナー講師、テレビ出演、各種寄稿などを行っている。

結局はトランプが勝つ?

米大統領選挙が目前に迫ってきた。今年はコロナで演説もできず、トランプ・バイデン両陣営とも、なかなか大変だったものと思われる。しかし、1カ月もすれば、大勢が判明する。今年は選挙結果がなかなか出ず、紛糾するとされているが、それはトランプ大統領が負けたときの言い訳にするためであり、まったくのブラフである。

トランプ大統領のこの4年間の言動を見ていれば、悪いことはすべてひとのせい、良いことは自分の手柄である。あまりにわかりやすいが、まったく責任感もない、いい加減な人物である。わざとそうしている面もあるのだろうが、それでも米国の大統領という立場を考慮すれば、言動の多くは受け入れられないレベルのものである。

それでも、トランプ大統領は大統領選で勝利するだろう。選挙自体はもめるだろうが、最終的にはトランプ大統領が勝利するように持っていくはずである。それが選挙であり、現職の強さである。

次の4年間で米国は凋落する

しかし、実際にトランプ大統領が勝利する背景には、また別の力が働くことになる。

トランプ大統領は米国の最期を看取るために選ばれた大統領である。次の4年間で米国は凋落するだろう。その責任を取らされるのがトランプ大統領である。残念ながら、米国は中国に負けたのである。負け戦をあと4年もやるのである。大変なコストがかかるだろう。

このような見解を示す専門家は日本にはいないが、1つの見方として参考にしていただければと思う。

国際情勢は、専門家の先生方が考えているほど、理論的には事は運ばない。裏の裏を理解しないと、到底理解できないだろう。そのロジックを理解できない中で、いろいろ論じても何も結論は出てこないだろう。

なりふり構わぬ中国批判

さて、最近のトランプ大統領の言動もまた、非常に興味深い。相変わらずのハチャメチャぶりである。

22日には国連総会の一般討論演説で、「中国が世界に感染を拡大させた」と批判し、「中国に責任を取らせる必要がある」と主張した。相変わらず、明確な根拠を示さず、思い込みだけで演説している。

11月の米大統領選を視野に演説は中国への批判に軸足を置き、対中強硬姿勢をアピールする内容となったが、普通であれば、「アウト」である。根拠を示さず、思い付き・思い込みだけで相手を批判できるのであれば、誰でもできる。小学生の喧嘩と同じである。

トランプ大統領は、「中国がコロナ感染初期に国内での移動を制限しながらも、海外への渡航を認めた」と批判した。さらに「中国政府、中国に事実上操作されている世界保健機関(WHO)は、人から人への感染を示す証拠はないという誤った主張をした」とした。

さらに、「その後、無症状であれば感染拡大はないと主張した。国連は中国の行動に責任を取らせなくてはならない」と訴えた。また、コロナワクチンの配布を約束し、「ウイルスを打倒し、パンデミック(世界的大流行)を終結させる」と言明した。

中国がコロナウイルスの感染拡大の発症の可能性が高いことは、かなり確度の高い話であろう。しかし、証拠がない。これでは戦えない。

一方、「中国がコロナ感染初期に国内での移動を制限しながらも、海外への渡航を認めた」という点は確かにそうである。日本にも来ていた。中国政府が理解していたかは不確かではあるが、それが拡大の理由であるとすれば、中国政府に一定の責任はあるといえる。

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