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選挙に勝って中国に負けるトランプ。次の4年間で米国は凋落する=江守哲

最終的に勝つのは「中国」

米国から中国への覇権国家の移行が「無血」で行われるのであれば、それは驚きであり、史上初めてのことになる。

習国家主席が指摘するように、中国は戦争を望んでいない。これは米国も同じである。したがって、武力行使による戦争は起きないだろうが、厳しい両者の応酬は、今後まずます強まらざるを得ないだろう。

それでも、中国は最終的に勝利するだろう。

習国家主席は23日、グテレス国連事務総長とテレビ会談を行い、「国家主権、民族の尊厳が損なわれることを座視せず、断固として正当な権益を守る」としている。公にこのようなことをいうのは、相当のことである。トランプ政権との対立の深まりを念頭に、国家主権に関する問題では妥協しないとの立場を明確にしたのである。

習主席は、「一国主義や覇権主義は必ず人心を失う」と指摘。さらに「安保理は集団安全保障の機能を発揮し、常任理事国は手本を示すべきだ」としている。

それでは、中国は覇権国家を目指していないのか。表向きはそういわざるを得ない。いまは米国が覇権国家である。その要素を保持している。したがって、中国はある意味では気楽である。

しかし、それがひとたび覇権国家となった瞬間、今度は追い落とされる立場になる。

米国の行き詰まりをトランプは認識しているのか?

米国はこれまで、覇権国家として永続できると考えてきたであろう。いまのトランプ大統領の言動は、まさに傲慢な米国を象徴しているといえる。

しかし、それがすでに立ち行かなくなっていることに気づいている米国民は少なくない。トランプ大統領も、もしかすると気づいていないかもしれない。

気づいているのであれば、まだ正気といえるが、そうでなければ「正気ではない」ということになる。だから危険なのである。

幻のワクチンにすがるトランプ政権

さて、そのトランプ大統領は、新型コロナウイルスのワクチンについて、来年4月までに希望する全国民への接種が可能になるという見通しを示しているようである。11月の大統領選をにらんで楽観論を展開しているのだが、専門家の見解とは温度差がある。つまり、適当な思い付き、思い込みである。

一国のトップがこのようないい加減な発言をしているのだから、国がダメになっていくのも当然である。

トランプ大統領は「年内に1億人分以上のワクチンが製造される」と予想した。さらに、「遅くとも来年1月には医療関係者や、重篤化のリスクが高い人々への投与が可能になり、1-3月期に数億人分を人々に届けられるだろう」としている。根拠を示さず、相変わらずのいい加減さである。

一方、疾病対策センター(CDC)のレッドフィールド所長は、「年内にワクチン投与が可能になっても、最初のうちは供給がきわめて限定され、対象を絞り込まなければならない」と指摘している。そのうえで、「国民一般に接種できるようになるのは21年4-6月期の終わりから7-9月期と見込んでいる」と暴露されてしまっている、

大統領選でトランプ氏と対決する民主党のバイデン前副大統領も、「明日にもワクチンが開発され問題がすべて解決するという考えは、まともでないし理にかなっていない」と批判し、「ワクチンに関し、国立アレルギー感染症研究所長のファウチ氏は信用するが、トランプ氏は信用しない」と述べている。

これがまともな米国民の考え方であろう。

Next: まともとは思えぬトランプ政権。「台湾」との関係がキーポイントになる

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