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米国株インデックス投資“万能論”は危険?「誰でも稼げる」に潜む罠=栫井駿介

米国株の「歪み」を見つけるのは難しい

米国株に関しては色んな人が国民全体がもう投資家として参加している訳なので、実はこのような歪みを見つけ出すのはあまり容易ではなかったりします。

そもそもアメリカに住んでいなければなかなか発見する事はできませんし、発見していたとしてもすでに株価に反映されているという可能性が高いです。

それに対して日本の株というのは結構見過ごされている株が少なくないという実感は持っています。

実際にそのような形で株式投資で利益を上げてきたということもあります。

したがって特にこの個別株をやるのだったら、米国株も良いですけれども、日本株というのもやはり目が離せないなという風に思っています。

ウォーレン・バフェットも今まさに日本株を買ったということがありますから、国としての経済成長はさすがにアメリカに劣ってしまうかもしれませんけれども、この歪みという観点では、日本株も捨てたものではありませんし、むしろ個別の企業の乖離に関しては日本株の方が大きくて、利益を出す可能性も十分にあるという風に思っています。

まとめ

今回の話をまとめますと米国株だけの投資というのは考えものです。

30年50年という単位では十分に年率で10%とかそういったリターンが取れるかもしれませんけれども、その30年に達するまでの間に「株式の死」みたいなまったく上がらない局面、あるいは下がり続ける局面というのも経験する可能性はやはり十分にあるという風に考えます。

それを避ける為にも、分散ということは必要だと思います。

米国株だけではなくて他の資産も知っておいて、それらを少しずつでも持っておくというのもありますし、それが難しいようだったら例えば現金持っておいて、いざチャンスに備えると株価が下がった時や良い物を見つけた時に買う為にとっておくということは必要ではないかと思います。

何より頭を使うということが絶対大切です。

この米国株にとにかく積立投資をしていれば良いという論調は、何も考えなくてただ機械的にやればいいからやっているというところがあります。こういう人達は結局は何も考えたくないからやっている訳なんです。けれども、そういったものには必ず落とし穴があります。

今後、株価が低迷するようだったら、そういう人たちが痛い目を見るということになりますし、米国株に集中投資していたとしても、もしこうなりそうだったらいつでも動ける準備というのはしておかなければなりません。

そういった意味で頭を使うというのはやはり投資においては、絶対条件だという風に考えています。

(※編注:今回の記事は動画でも解説されています。ご興味をお持ちの方は、ぜひチャンネル登録してほかの解説動画もご視聴ください。)

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image by:Matej Kastelic / Shutterstock.com
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バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』(2020年12月12日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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