トランプ社長は「子分」に何を売りつけたのか?日本国民のノルマ厳しく=矢口新

世の中には親分に尽くし、「一の子分」でいることを誇りに思う人がいる。私たちは先日もそれを目の当たりにした。トランプ大統領と安倍首相のやり取りだ。(矢口新)

※本記事は、矢口新氏のメルマガ『相場はあなたの夢をかなえる ―有料版―』2017年11月7日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:矢口新(やぐちあらた)
1954年和歌山県新宮市生まれ。早稲田大学中退、豪州メルボルン大学卒業。アストリー&ピアス(東京)、野村證券(東京・ニューヨーク)、ソロモン・ブラザーズ(東京)、スイス・ユニオン銀行(東京)、ノムラ・バンク・インターナショナル(ロンドン)にて為替・債券ディーラー、機関投資家セールスとして活躍。現役プロディーラー座右の書として支持され続けるベストセラー『実践・生き残りのディーリング』など著書多数。

企業でも国家でも、「親分に忠実過ぎる子分」の部下は苦労する

「一の子分」でいることを誇りに思う人たち

世の中には、親分に尽くし、「一の子分」でいることを誇りに思う人たちがいる。それは上の命令に従うという行為により、判断を親分に委ね、自己の判断を放棄することである。そのため、ディーラーやファンドマネージャーにとっては、出世への近道だとは言え、褒められた資質ではない。

私が昔にいた会社で、困難なプロジェクトを任された同僚が、上司から「お前の屍は拾ってやるから安心して立ち向かえ」と言われたと怒っていた。「一の子分」でいることを誇りに思う人なら感激する言葉なのかもしれない。しかし彼は、どうせなら「俺の屍を超えていけ」と言って欲しかったそうだ。

昔の戦でも、自身の部下を何人も死なせて英雄となった先人もいれば、部下の死を惜しんで戦を避けた先人もいる。強い親分から目をかけられることを喜ぶのは、案外、多数派なのかもしれない。

全世界に発信された安倍首相の「子分体質」

とはいえ先日、メディアの報道でそれを目の当たりにして筆者は嫌な思いをした。トランプ大統領と、安倍首相のやり取りだ。

2回もゴルフをしてくれた」と親密さをアピールする日本の首相に対し、米国の大統領は「日本人は元気がいい。日本の都市は活気がある。日本人は世界で最も強力な経済を築いた。とはいえ、米国ほど良いかというと、そうは思わない。そして、我々は日本が米国を超えることがないままでいるよう、努めていく」とした。

「一の子分」でいることを喜ぶ日本の首相に対し、「ゆめゆめ米国を超えようなどとは思うなよ」と、釘を刺したのだ。
※参考:Trump says Japan’s economy is not ‘as good as ours’ and should stay that way – CNBC(2017年11月6日)

Next: 親分に忠実過ぎる子分が、部下である国民に無茶なノルマを課す

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