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決算で読み解くグーグル絶好調の理由。スマホ、YouTubeが業績を牽引=八木翼

今年8月に持ち株会社Alphabetを設立しその傘下に入ったGoogle。現地時間の10月22日には新体制になり初めての決算発表がありました。そのIRサマリーをもとに、気になる足元の業績と今後の見通しを『バフェットの眼』著者の八木翼さんが分析します。

前年比13%成長。これからも「王者Google」は揺るがない

Alphabetの第3四半期決算はスマホ、YouTubeが業績牽引

いつまでもGoogleと言っていてはいけませんね。Alphabetに名前を変えたんでした。

さて、そのAlphabetの業績ですが、IRとして、2015年の第3四半期のサマリーがWebサイトに載っていますので、そのまま引用させてもらいます。

ざっくり訳しますと、

・Revenues of $18.7 billion and revenue growth of 13% year over year
収益は187億ドル(約2兆2440億円)で、前年比から13%成長した

・Substantial growth of mobile search revenue,complemented by contributions from YouTube and Programmatic Advertising
携帯検索収益が持続的成長を果たした。YouTubeと広告プログラムで

・GAAP and non-GAAP operating income of $4.7 billion and $6.1 billion, respectively
GAAPとnon-GAAP営業利益は、それぞれ47億ドル(約5640億円)、61億ドル(約7320億円)であった

・GAAP and non-GAAP diluted EPS of $5.73 and $7.35,respectively
EPSはGAAPが5.73$、non-GAAPが7.35$

・Strong operating cash flow of $6.0 billion
60億ドルの力強い営業キャッシュフローを生み出した

とのことです。

今回の発表で一番注目されたのは、携帯(というかスマホ)でしっかり稼げていることでした。

これまで、スマホが普及したせいで、アプリメインのスタイルになり、ブラウザを開いて、とりあえずGoogleが開かれるというスタイルがなくなることを投資家たちは懸念していたので、今回の発表でスマホの中で、Googleの支配が示せたことが良かったのではないでしょうか?

さらには、自社株買戻しも関心を引いたでしょう。ちなみに、株式買戻しについて言及したのがコチラ。

Stock Repurchase

The board of directors of Alphabet authorized the company to repurchase up to $5,099,019,513.59
of its Class C capital stock, commencing in the fourth quarter of 2015.

The repurchase is expected to be executed from time to time, subject to general business and market conditions and other investment opportunities,through open market purchases or privately negotiated transactions, including through Rule 10b5-1 plans.

要は、2015年の第4四半期から、$5,099,019,513.59の株式買戻しをしますよってことです。

後は、事業計画とかに応じて適宜買戻します的な内容です。ちなみにですが、この中に、privately negotiated transactionsが含まれていますね。

要は、個人的に交渉して買い戻すことも可能とのことです。そうなると、これは、例えばGoogleの関係者から株を買って自社株買戻しということもできるわけですね。

で、またストックオプションなんかで株をあげたりするわけで…まあ、お金があれよあれよと手に入ると。まあ、そんなことしなくても彼らは金持ちなので、そういうことではないことを願いますが(笑)。

ちなみに、現在の市場の株を買い戻すとなると、どのくらいの数になるのでしょうか?

現在発行済みの株式が、685.54Mとのことです(Mはmillionの略)。現在の株価は、721.05$です。

これを買い取り総額で割ると$5,099,019,513.59÷721.05=7071658

millionの単位に直すと、7.071658Mです。これは全体の株式のどのくらいかというと、7.071658M÷685.54M=0.0103…

まあ、約1%です。みんな騒ぎすぎじゃないでしょうか…(笑)けどまあ、これは、YouTube fireへの期待も含まれてのことでしょうね。

業績は絶好調。株価は10年で約12.5倍に

それしてもGoogleは絶好調ですね。これまでのGoogleの業績を見てみましょう。

過去10年のEPS
時期 $/株
June 30, 2015 21.13
June 30, 2014 19.25
June 30, 2013 17.32
June 30, 2012 16.72
June 30, 2011 13.87
June 30, 2010 11.52
June 30, 2009 6.92
June 30, 2008 6.662
June 30, 2007 5.884
June 30, 2006 3.415
June 30, 2005 1.694

いやー、恐ろしいですね。つい10年前までは、1.694$/株だったのに、今では、なんと21.13$/株になっています。こんな会社あるでしょうか?約12.5倍に成長しています

一時はモバイル端末でアプリ主導になり、Googleの時代は終わり、Facebookの時代がやってくるといわれていましたが、そんなことはありませんでしたね。みんなGoogleを頼りにしているわけです。

先ほど示した通り、YouTubeが好調のようですね。

Substantial growth of mobile search revenue,complemented by contributions from YouTube and Programmatic Advertising(YouTubeと広告プログラムによる、モバイル検索の収益の着実な成長)

ちなみに今回のレポートでYouTubeが登場するのは、この1文だけで、後はどこにも出てきていないので、どのくらい実際に稼いだのかは、全く不明でした。しかし、四半期レポートに出てくるということは、大きく貢献しているのでしょう。

個人的には、最近TwitterやFacebookから動画サイトのYouTubeに誘導されることが多くなった気がしますので、その影響もあるのでしょう。

Alphabet<GOOGL> 月足(SBI証券提供)

Alphabet<GOOGL> 月足(SBI証券提供)

まあ、まだまだ王者Googleの時代が続きそうですね。正直、日本ではクールだといえるYouTube以外の動画サイトがありません。ニコニコ動画とかは少しダサい感じがぬぐえませんしね…。

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バフェットの眼(有料版)』2015年11月2日号より一部抜粋
※太字、見出しはMONEY VOICE編集部による

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