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年末に宝くじを買う人間は永遠に貧乏、富を増やす投資家とは別種の生き物=鈴木傾城

宝くじを買う人は小銭など貯めない

それほど大金に執着があるのなら、普段は小さなお金を大切にして小銭を積み上げるようにして貯めるべきなのだが、逆にこうした基本はなかなか身につかない。

宝くじを買うのは簡単だが、逆に小銭を貯めるというのは意外に難しいからだ。

小銭を貯めるためには、普段の楽しみを制限し、欲しいものを我慢し、自分に我慢を強いなければならない。収入が少なければ少ないほど、貯金できる額が少ないわけで、それが大金に育っていくのに時間がかかる。「お金を使いたい」という気持ちを長く制御してコントロールしなければならないので、うんざりする気持ちも強い。

誰もうんざりすることは回避したいので、「手っ取り早く金持ちになりたい」と考える人であればあるほど、小銭を貯めることを回避する。

「手っ取り早く金持ちになりたい」と考える人の目的は、実は金持ちになることではない。

「金を使うこと」にある。

「金を貯めたい」と「金を使いたい」はベクトルの向きが真逆である。毎日湯水のごとく金を蕩尽するのを夢見ている人は金を使いまくりたいというのが目的なので、蕩尽(とうじん)するための金を稼ぐとか貯金するという発想は最初から抜けている。

そこを飛ばして、手っ取り早く金が欲しいと思う。だから、努力が必要のない宝くじに群がるのである。

使いたいから金が欲しい、という人間たち

「大金が欲しい」という気持ちが同じでも、堅実な人間とそうでない人間では、向いている方向が180度違う。

堅実な人間は、増やすことの喜びや人生を安定させるために「大金が欲しい」と考える。そうでない人間の場合は、使いまくって愉快に生きるために「大金が欲しい」と考える。

浪費型の人間というのは、別に珍しくも何ともない。もしかしたら、世の中の半分は浪費型かもしれない。

2002年、イギリスのマイケル・キャロルという男は20億円の宝くじを当てたが、この男は8年で全部使い切ってしまった。高級コールガールを毎晩数人呼んでパーティーにセックスにドラッグに明け暮れ、結局また元の一文無しに戻ってしまった。

マイケル・キャロルは「使いたい」からそうした。

金持ちになりたい、というのは「無尽蔵に金を使うため」であると考えている人は、結局マイケル・キャロルのように、いくら金があってもザルのように漏れていき、消えてしまう。

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