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「日本人の現金離れ」進行も、コロナ後は元通り? クレカ=悪の偏見が生む奇妙な決済環境=岩田昭男

「クレジットカードは借金」と決めつける人々

私は30年にわたって全国の消費生活センターでクレジットカードの使い方を話してきました。

その中でいつも痛感したのは、クレジットカードの捉え方が日本人は間違っているのではないかということでした。

講演会には必ず、「クレジットカードは借金」と決めつける人たちも来ていました。彼らが共通して非難するのは、クレジットカードのユーザンス(支払い猶予期間・カード会社による立て替え期間)があるから、それは借金とイコールではないかと叫ぶのでした。

基本、日本人の心の中にはこの考えがあると私は思っています。

米国は「支払い猶予期間」を大歓迎

一方、米国ではこの期間をグレースピリオド(金利を優遇してくれる、金利がなく貸し出してくれる素晴らしい期間)と考えています。

そして締め日の翌日にクレジットカードで買い物すれば、さらに猶予期間が倍に伸びるという裏技まで発明して宣伝に努めていました。

まさにここに日米のクレジットカードの違いが現れています。

私も米国の考え方が全て良いとは言いません。しかし、少なくとも「クレジットカード=悪」と決めつける風潮だけは何とかしないといけません。

正しいキャッシュレスの向き合い方を学ぶ必要

キャッシュレス化が進めば、そのクレジットカード嫌いも少しは薄まっていくでしょうが、放っておいてはいけません。

偏見を持つ前にキャッシュレスの上手な使い方を学ぶべきです。

できれば、義務教育の中で、または高校課程でキャッシュレスを学ぶ時間を設けて、正しい利用方法を学ばせるのが良いと思います。

Next: 普及率だけにこだわるのは危険。キャッシュレス教育をやるべき

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