実際に開催できるのか? 全豪オープンテニスが良いお手本になるが…
その点、新型コロナの感染状況が世界では改善方向にありますが、日本では特に首都圏で患者数が下げ止まりを見せています。
1つには、ワクチンの接種が遅れていることもあります。この夏までにワクチン接種が世界規模で進むめどはたっていません。日本でも医療関係者、高齢者の接種もかなり遅れています。夏までに一般国民が接種を受けることはほぼ不可能と言います。
その中で何とか開催することを決めるとしても、先の全豪オープンテニスが良いひな型になると言われます。
大坂なおみ選手が優勝して盛り上がった大会ですが、現地では大変な準備と費用が掛かったと言われます。選手も含めてPCR検査で陽性になった人と同乗した選手は2週間ホテルで缶詰めになり、準備や練習に支障をきたした例も見られます。
関係者から少しでも感染者が出れば、徹底した隔離体制が取られ、途中から無観客試合になる時期もありました。大会成功の裏では、テニスのゲームだけでもメルボルンは物理的にも金銭的にも大きな負担を強いられたといいます。
それがオリンビック・パラリンピックとなると、選手関係者の数も会場も比較にならないほど広範囲になり、メルボルンと同様の管理体制が取れるか疑問視されます。
すでに聖火リレーやボランティアの参加を辞退する人が多数出ています。
コロナの感染を世界に広めないための対策強化を図るには、メルボルンの何十倍、何百倍の人的負担、コスト負担も考えられます。
揺らいだ準備態勢を今から立て直し、強化できるのか。海外客を入れないとか、無観客開催となれは、経済的負担はさらにかさみます。
北京冬季五輪の参加・不参加も決める必要
もう1つ、大きな問題になるのが、日本として次の北京冬季五輪に参加するのかどうかの決断をしなければなりません。
米国や欧州各国がボイコットした場合に、日本だけが参加を決められるのか。逆に日本もボイコットすれば、今後の日中関係に大きな溝を作ることにもなります。
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