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LINE・ヤフー統合は日本復活の起爆剤。孫正義の打倒GAFAに現実味、鍵を握る4分野とは=馬渕磨理子

経営統合後の目指す姿と注力分野

3月1日の新会社発足の戦略説明会では、経営統合後の目指す姿を「日本・アジアから世界をリードするAIテックカンパニー」としています。

今後5年間で、5,000億円規模の戦略投資と、5,000人規模のAI(人工知能)人材を登用する計画が明かされています。

具体的に、強化セグメントは4つの分野です。

1.eコマース(電子商取引)
2.飲食店・旅行予約
3.フィンテック
4.行政・防災

1つ1つ、見ていきましょう。

注力分野その1:eコマース

「LINE」を活用した新しい買い物の体験の提案をしています。

「LINE」で誕生日などに友だちにギフトを贈ることができる「LINEギフト」の機能は利用したことはありますか?

私は、昨年のクリスマスに友人から「スープストック」のスープセットをLINEギフトのプレゼントでもらいました。メッセージには「まぶっちゃん。メリークリスマス!スープでも飲んで身体をあっためて」とありました。コロナでしばらく会えていない友人からのLINEギフトには、心温まるものがあり、深く印象が残っています。

この機能は将来的に「Yahoo!ショッピング」などと連携し、多くの商品から贈り物ができるようにしていくようです。効率的ですが、どこか人間らしさを感じるサービスです。

そのほか、コロナで盛り上がりを見せており定着しつつある「ライブコマース」を見ながら「共同購入」できる機能も展開していきます。インフルエンサーが紹介している動画を一緒に見ている人と交流して「共同購入」することで、商品を安く購入できます。

そして、オンラインと実店舗を連携した「X(クロス)ショッピング」にも取り組んでいきます。オンラインで購入した商品を店舗で受け取ったり、店舗の商品をオンラインで予約するなど、欲しいものを欲しい時に欲しい場所でお得に購入できる世界の実現を目指していきます。

中長期的にはオンラインに加え実店舗においても、ダイナミックプライシングでお得に購入できる「My Price構想」を検討しています。

注力分野その2:飲食店・旅行予約

飲食予約や旅行予約などでは「Yahoo!ロコ」「一休.comレストラン」「LINE PLACE」などの複数のサービスからの予約・送客や、AIを徹底的に活用することで、ユーザーとのマッチング精度の向上を目指していきます。また、フードデリバリー「出前館」の日本最大規模のデリバリーインフラの活用を検討しています。飲食予約、旅行予約のある意味「DX」を担っていると言えます。

広告においては「Yahoo! JAPAN」「LINE」「PayPay」が連携することで、事業者向けに新たなマーケティングソリューションを提供していきます。これも、プラットフォーム力の効果が大いに発揮される分野でしょう。例えば、「Yahoo! JAPAN」や「LINE」のメディア上などで広告を配信し、特定の商品を購入した方だけの、お得なクーポンを届け再購入を促すなど、効率的かつ継続的にアプローチすることが可能になります。企業にとっては無駄な広告を減らして、効果の高いマーケティングが可能となります。

ユーザーにとっては、ノイズの少ない情報を受け取ることができるようになります。広告が「うるさく」感じることも多くなってきています。これも、直接的な数字に表しにくいかもしれませんが、「ストレスのない広告」も人々の「豊かさ」に通じるものがあります。

Next: PayPayとLINE Payは統合へ。無駄を省き、価値あるものは残す方針

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