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米国メンソールたばこ禁止、ジリ貧「JT」への影響は?嫌煙家のせいじゃない、世界中で規制されるワケ

アメリカでメンソールたばこの禁止などを盛り込んだ、たばこ製品の新たな基準案を来年中に公表する方針を明らかにしたと報じられ、日本国内でも愛煙家の間で動揺の声が広がっている。

報道によると、アメリカのFDA(食品医薬品局)は声明を発表し、メンソールのたばこにはニコチンの効果を高め中毒性が増す可能性があるとも指摘。メンソールを禁止することによって、多くの人の禁煙を助けることに繋がるとしている。

さらにメンソールたばこは、白人に比べて黒人や低所得者層の喫煙率が圧倒的に高いとのことで、人種間の健康格差の是正にも繋がるとFDAはコメントしているという。

世界的な流れとなっている「メンソールたばこ禁止」

吸った時の清涼感、さらにたばこ独特の苦みも和らぐということで、喫煙者の間でも一定のファンが存在するメンソールたばこ。ただ、その吸いやすさが故に、若者の喫煙の入り口となっていると度々指摘されている。

さらにメンソールたばこに関しては、通常のたばこに比べて依存性が高く禁煙も成功しづらいなどの弊害があるとも、先述のFDAが2013年の時点で指摘している。くわえてその清涼感から体調の悪い時でも吸いやすく、通常のたばこよりも深く吸い込みがちになる点も、健康上のリスクを押し上げているとされる。

そのため、EU加盟国やイギリスといったヨーロッパ諸国では、2020年5月の段階でメンソールなどの風味付きたばこの販売がすでに禁止に。またアメリカ国内においても、マサチューセッツ州ではすでに2020年6月から風味付きたばこの販売が禁止になっており、今回の方針によって、それが国全体に広がることになる。

先日20日にも、たばこメーカーに対してニコチン含有量の引き下げを義務付ける規制強化を検討中と報じられるなど、たばこへの強硬的な姿勢が目立つバイデン政権だが、恐らくそのキーマンとなっているのは、バイデン政権下で新型コロナウイルス対策責任者に就任したデービッド・ケスラー氏。ブッシュ(父)政権とクリントン政権下でFDAの長官を務め、抗エイズ薬の承認手続き期間短縮やたばこ産業規制などに取り組んだ人物のようだ。

ちなみに、記事のなかにある「メンソールたばこは、白人に比べて黒人や低所得者層の喫煙率が圧倒的に高い」という記述だが、今回の報道以前からメンソールたばこを巡っては、この風味を選ぶことの多いアフリカ系米国人の健康を害しているとして、訴訟が起こされているといい、どうやらそのことを意識したコメントのようである。

好決算だったJTにも影響はあるのか?

ヨーロッパはもとより、アメリカ国内でもたばこに対する視線が厳しいものとなっていくなか、決して対岸の火事とはいかないのが、世界有数のたばこメーカーであるJT。先述の「ニコチン含有量の引き下げ義務付け」報道が出た際も、アメリカ国内での話にもかかわらず、JT株が連想売りされる一幕があったばかりだ。

JTはここ数十年に渡り、断続的に国内たばこ事業のリストラを繰り返していて、今年2月にも3000人規模の大規模リストラを発表している。たばこ自体の需要が減り続けていることがもちろん大きな理由だが、ここに来てコロナ禍も国内市場の縮小に拍車をかけているようで、ついには上場以来初となる減配に。株価が一時は大幅下落となるなど、投資家の間で衝撃が走った。

ただそのいっぽうで、たばこは増税等々といった事あるタイミングで値段を上げられることもあり、そのビジネスモデルは安泰といった声も。

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現に一度は大きく下げた株価も、気が付けば「減配ショック」以前の水準に戻っており、さらに4月30日に発表された2021年12月期第1四半期決算も、純利益が前年同期比31.7%増の1,137億8,600万円と見栄えの良いものに。国内事業の不振を海外事業の好調で挽回したのも、好決算の理由となったようだ。

とはいえ、今後国内外ともにたばこの需要が減り続けることが必至なのは変わらないところ。たばこに依存しない新事業の開拓が急務だとされるJTだが、今回のアメリカにおける「メンソールたばこ禁止方針」報道で、さらなるスピード感が求められることになりそうだ。

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