各国がワクチン接種率の向上に四苦八苦
ワクチン接種では国情が異なり、比較的接種が進んだ英国は良いとしても、ワクチン接種に否定的な見方が多いフランスや、宗教上の理由やトランプ支持者の間でワクチン拒否の多い米国などで、接種率の進展や感染事情に差が見られます。
米国ではまた1日の新規感染者数が12万人近くに上るようになりましたが、その多くがワクチン未接種者といいます。
また、フランスでは新規の感染者が7月初めには1日4,000人程度でしたが、先週には2万2,000人に急増しました。フランスでは現在感染の第4波にありますが、その多くがワクチン接種をしていないと言います。
ワクチン拒否者が多いこともあり、政府はワクチン接種や検査を義務付ける動きを強めています。例えば、美術館や映画館、プールを利用する場合には、ワクチン接種完了や検査済みを示す「健康パス」の提示が必要です。
その上に議会は26日、人々が多く集まる様々な場所で、この健康パスの提示を義務付ける法案を可決、8月1日からは飲食店、バー、長距離鉄道、飛行機の利用にこのパスが必要となります。
当然、これに反対する市民のデモが広がっていますが、経済の正常化を進めたい政府は、ワクチン接種や検査を義務付ける方向で動いています。
日本でもワクチンパスの発行が検討されています。
五輪後にワクチン接種を急いでも、第6波は避けられない
欧米のワクチン先進国の状況をみると、ワクチン接種率を早期に5割以上に引き上げ、感染不安、重症化不安、命の不安を改善することが、経済の再開に結び付くと期待されています。
菅政権もこれに賭けていて、五輪が終われば、次は何が何でもワクチン接種にまい進すると見られます。
現在の第5波が8月にピークを打ったとしても、まだワクチン接種率が低いために、次の第6波が不可避と見られています。
米国でもCDC(米国疾病予防管理センター)が、感染は10月にピークを打つと予想しています。
日本も今の高齢者優先のワクチン接種の形だと、この頃に第6波に襲われる可能性が指摘されます。これを最後の山にするためには、若い人も含めたワクチン接種の進展が必要になります。
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