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若者ワクチン接種促進“小池アプリ”に税金2.5億円、広報に7.5億円投入の無駄に都民激怒「接種した人で山分けでよくない?」の声も。COCOA・五輪アプリの二の舞か

東京都が若者世代の接種率伸び悩み対策のため、新たにアプリの開発を計画し、それらの予算として10億円を計上していることが判明し、批判的な意見が相次ぐ事態になっている。

報道によると、この施策は都内在住の20~30代の約340万人を対象としていて、接種記録アプリに登録すると、決済アプリなどに協賛企業からポイントやクーポンが届く仕組みを想定しているとのこと。これらのシステムの開発費として、都の8月補正予算案に2億5,000万円を計上しているという。

さらに、動画や広告などを通じて若者世代に向けてワクチン接種を勧める広報事業にも7.5億円を投入。これらを「新型コロナウイルスワクチン接種促進キャンペーン事業」と銘打ち、10億円もの予算を計上しているという。

相次ぐアプリ「失政」がまた繰り返される?

昨年からのコロナ禍に関連して、政府や行政によって様々なアプリが開発されるという話はよく耳にするが、予算をかけた割には十分に活用されていない、それどころかまったく役になっていないといった声も多いなど、とにかくロクな話がない。

その最たる例といえば、厚生労働省が提供している新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」だろう。登場当初から、その仕組みや効果に関して疑問の声が多くあがっていたこのアプリだが、今年2月には最も重要な機能である接触通知が、一部の端末において約4か月に渡って届いていなかったいう不具合が判明。菅義偉首相も国会答弁で「お粗末なことだ」と不手際を認めるに至り、今ではもはや誰も見向きもしないアプリとなってしまった。

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また「COCOA」に関しては、開発を政府から受注した元請け企業が、その事業費の94%を複数の会社に再委託していたという、いわゆる「多重下請け」や「中抜き疑惑」も大きな問題に。さらに他のアプリだと、オリパラで来日する海外選手や大会関係者向けの健康観察アプリの開発において、平井卓也デジタル担当相が開発を受注したNTTグループの幹部から、豪華接待を受けていたことが大々的に報じられ、こちらは「特定企業への利益供与」が疑われるなど、政府によるアプリ開発話の周辺は、とにかく疑惑のオンパレードといった状況だ。

そのような先例もあることから、今回の東京都による接種促進アプリに関しても「どうせ誰も使わない」「トモダチ企業が肥えるだけ」などと、批判的な声が早くも噴出。実際に開発されたとしても、期待するような効果が上がるかどうかははなはだ疑わしいところである。

「いまやることなのか?」噴出する反発の声

都の8月補正予算案では、上記のアプリ開発にくわえて、若者層にほとんど刺さっていないと不評な広報動画制作にも多額の予算が計上されており、これにも「金の無駄」といった辛辣な意見が多い。

利権にがんじがらめの五輪は開催を強行したにもかかわらず、お盆休みに帰省を検討している人々に対しては「いま抑えないと、助かる命も助からなくなる」と、やおら緊迫感を押し出していた小池都知事だが、使われないアプリの開発や誰も見ない動画の制作こそ、「いまやるべきことなのか?」との声は圧倒的。たしかにアプリ開発に動画制作にしめて10億円という、これだけの予算があるならば、まったく足りていない病床の確保やコロナ困窮世帯への減税策、そして滞るいっぽうの飲食店への協力金支払いなど、優先すべきことは数多くありそうである。

そのいっぽうで、仮に10億円の予算で若者の接種率をあげたいのなら、「10億円山分けキャンペーン」あるいは「接種者限定ガチャ」など、もっと有効的な策があるだろうといったアイデアも。世界中で実施されているワクチンインセンティブの付与だが、都が想定しているようなポイントやクーポンでは、確かに動機づけとしてはインパクトが弱いのではというのが、多くの都民が率直に思うところだろうか。

そもそも若者層のワクチン接種率があがらない理由は、たしかに「打ちたくない」という層が他の年代よりも多く存在することもあるが、それ以上にワクチン供給不足という“不手際”によって、「打ちたくてもすぐに打てない」ことが、そのような状況を作っているのは分かりきったこと。にもかかわらず、最近の感染爆発を若者層のせいだとレッテルを張った挙句、それにかこつけて怪しげな事業に血税を投入しようとしているワケで、これでは怒りの声があがるのも当然の話だろう。

Next: 委託するアプリ会社やキャンペーン企画会社がどこなのか?

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