インフレもコントロールはできない
こういった価格の高騰というのは、コントロールできないもの。津波などの自然災害のようなもので、(先の原発事故については人災という声もありますが)これをコントロールできると考えているのであれば、大きな勘違いです。
パウエル議長も、インフレをコントロールするのに自信たっぷりのように見えます。しかし、できるのであれば、過去のインフレも防げたはずでしょう。
インターネットやAIが登場して、誰もが失敗を過度に恐れるようになっています。しかし、失敗もそれほど悪くなく、失敗するからみな人間的にも経済的にも大きくなるのに、失敗をみなさん恐れすぎとは私はいつも思います。
もちろん、直感や本能で言いたい放題の小室さん夫妻に関する報道などもう見たくもありませんので、そういうのもおかしいと思います。
でも、事実を重ねる「推論」を過信すぎるのも、駄目だということです。科学は私たちに新しい知見を与えますが、万能ではありません。決して過信をしてはいけません。
価格の高騰やインフレというのは、コントロールできないものと私は思います。
「金融緩和の副作用はインフレ」と、以前から言われてきたことです。それを過信して、めいっぱいの金融緩和・財政緩和をすればこうなることは当然でした。
そして、インフレのあとには、凄まじいデフレになることもわかっていることです。日本がその典型です。
パウエルFRB議長が再任
結局、米議会の党派対立の結果、パウエル氏が議長を続投し、対立候補が副議長となりました。正直、ま、悪くはない人事だと思います。
ただ、その結果を受けて、ドルと金利が暴騰です(笑)。この結果など、ちっとも読めませんでしたが、長期的な方針と合致しています。
言いたいことは、原油の高騰と同じです。最近は「インフレは退治ことができる」というトーンは非常にダウンしていますが、そんなものをコントロールできると思っているのであれば、あんた大きな勘違いしているよ、ということです。
「戦略石油備蓄」放出の無意味
わかりにくい方は、最近のインフレである、マスクを考えればいいのです。
コロナ禍の初期では、皆がマスクを探しまわっていました。この状態が3か月続くと、手作りマスクを作成し始めたのです。政府としてもマスク不足をなんとかしたいと思い、いろいろ動いたのでしょう。
で、解決しましたか?「アベノマスク」というわけのわからないものが登場もしましたけど。
マスクは足りないから高騰をしたのであり、中国から輸入が再開されたから、価格がデフレになったのです。
でも、原油は、足りているのに高いのです。つまり、供給を増やすという方策は間違いで、資金源を断たないといけないのです。
資源を断つということは、財政緩和と金融緩和の停止になるわけです(笑)。こんなもの政治的にできませんから、供給でごまかしているということなのです。
エアラインなどの人の移動が制限される中で、株価は去年より3割も高い、異常ですよね。その人の移動にまつわる企業は、お金があり余っているはずです。
寝かしておいても仕方ないから投資をしよう、当然の発想です。その投資を一生懸命、制限しようとしているのが、バイデンやパウエルなのです。
行動全体を俯瞰的にみていると全部、矛盾しているのです。個人的には、こんなものが上手くいくとは思っていません。