いつかは起きる副作用
パウエル議長は、4月にインフレ懸念があると明言したことが名伯楽と言われる由縁なのかな、とは思います。何かの政策を行えば、必ず副作用があるということです。
党派対立の激しいアメリカでは、失敗すると共和党が一気にそれを批判して支持率が低下する。だから失敗を失敗として認めようとしない。
結局、白か黒かの選択になっており、「1+1=2」ほど明確な正解なんてものは世の中に存在しないのに、あると信じて行動しているように思います。
過度に失敗を恐れれば、行動は生ぬるくなる。大胆に行えば、副作用が大きくなる。その割合を科学的に証明できれば合理性のある政策を行えますが、そんなものは時代背景によるものですから、無理な話です。データでは解析できない、と私は思います。
その副作用を一般国民に認めさせるためには、パウエルの行ったように、インフレ懸念があるというリスクの「事前説明」です。しかし、パウエル議長自身も年間で6%のインフレになるなど予測もしていなかったので、インフレ退治のトーンが下がってきたのでしょう。
インフレ後に待つのは大きなデフレ
安倍さんがコロナが起こった直後に「こんなことになるなんて誰も思っていないでしょう」と言っていたのが、私には印象的な言葉としてあります。
パンデミックというものが起きるというのは、はるか昔から言われてきたことです。つまり、予測の通りにモノごとは進まないのが、通常なんだなと改めて思います。
しかし、そのリスクの「事前説明」を行えば、ある程度の緩和ができる……ということは、パウエル議長が示しました。とはいえ、来年の春までインフレが収まらなければ、大変なことになるでしょう。インフレが終わったとしても、絶大なデフレが待っているわけです。まだまだ茨の道は続くと思っています。
このような結果は、成長を確保したいという思惑で、この2年がうまく行き過ぎた反動だと私は思っています。落ちるときに落ちないと、あとでその反動はもっとひどいものになる、と私は思っています。
ダメなときは、何をやってもダメ。政治的にはそんなものは許されないことでしょうが、でも、摂理に従わないといけないときもあるのではないかな、と思っています。
チャートを知っている方で、「このまま買いで大丈夫」と思っている方は多くはないと思います。
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『角野實のファンダメンタルズのススメ』(2021年11月24日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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