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なぜソフトバンクG株は年初来30%も下落?「割安」評価は虚構、それでも孫正義の目利きに期待できる理由=栫井駿介

長期視点の成長株投資なら買える銘柄

では、ソフトバンクグループはまったく買ってはいけないのかというと、実は長期の観点では私はそこまでは思っていません。

なぜなら、長期的に見るとやはりソフトバンクグループがテキトーに投資しているわけではありませんから、その中に何倍にも成長するような素晴らしい企業、かつてのアリババのような企業が含まれているのではないかという見方もできます。

長期的な視点に立ち、ビジョン・ファンドの上場している分の投資先の投資した金額に対する倍率を見ると、結構順調な成績を収めていて、何倍にもなっている銘柄も少なくありません。一方で、10分の1になってしまった銘柄もあります。

出典:「ソフトバンクグループ2022年3月期第2四半期決算説明会資料」

出典:ソフトバンクグループ2022年3月期第2四半期決算説明会資料

これらをトータルして1.8倍になっているというのが、これまでのソフトバンクグループの業績です。

この成長するものが増えたり、どれか1つが100倍になったりすれば、トータルのリターンが長期的に見れば上がってくる可能性も十分にあると考えられます。

これが投資家における成長株投資そのものであると言えます。

「群戦略」でスター銘柄の誕生を待つ

成長株投資というと、事前に確実にこうなると分かっている人はほとんどいません。そんな中でいくつかのものに投資して、成功があれば失敗もある、そういった流れで投資するのが成長株投資のミソということです。

例えば、5銘柄に投資したとして、10年後に1銘柄は10倍になり1銘柄は5倍になり1銘柄2倍になり、そして1つは半分、そして1つは0になったとします。

これにすべて100万円ずつ投資したとすると、500万円が10年で1,750万円となり、年率で13%の成果が出たということになります。

こういう流れが、成長株投資のミソというところになってきます。

しかし、この10年前の時点では、どれが10倍になってどれが0になってしまうのかはわかりません。

それがわかっていないからこそ、いくつもの銘柄に分散する、ソフトバンクグループの言うところの「群戦略」という、多くの銘柄に投資をしてその中からスターの銘柄が出てくればいいという思想でやっているのではないかと思います。

Next: 成長株投資で勝つなら、打率よりも「一発の大きさ」が重要

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