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2022年の為替相場「米ドル高・円安・ユーロ安」でどう稼ぐ?危険な通貨と有効なトレード戦略=ゆきママ

まずは「ユーロドルの戻り売り」「米ドル円の押し目買い」が良さそう

これらを踏まえたうえで、具体的なトレード戦略です。

やはり、しばらくは「ユーロドルの戻り売り」を試しつつ、ロシアのウクライナ侵攻や中東情勢悪化、米中対立激化など、地政学的リスクの高まりを受けて円高になるなら、「米ドル円の押し目を狙う」というのが良さそうです。

まずは基本に忠実に、大きな流れには逆らわないトレードが良いでしょう。

ただし、ユーロに関しては売られ過ぎであること、ECBの緩和姿勢が織り込まれ過ぎているため、特にECBの政策スタンスには注目しておきましょう。変化があった場合には、急激に巻き戻されてユーロ高になる可能性があります。時期的には下半期は特に警戒したいです。

やはりインフレの激流に晒されているのは欧州も例外ではなく、例えばガス価格は過去最高値を更新し、昨年から10倍以上の価格となっています。

市場の価格がそのまま転化されるわけではありませんが、既にガスや電気料金が前年から2倍以上になっている国も珍しくなく、エネルギー価格の高騰によるコスト増で、ほぼすべての生産品の価格が上昇することは間違いありません。実際、欧州では肥料価格が高騰し、野菜なども値上げされています。

この欧州のインフレが一過性に終わるとは思えず、どこかでECBの政策スタンスが大きく変わる可能性は十分ありますから、日々のインフレ動向、ECB関係者(ラガルド総裁、レーン理事兼チーフエコノミストら)の発言には注意しておきましょう。

トルコリラには絶対に手を出すな

原油価格が上昇しているため、資源国通貨である加ドルや豪ドル、NZドルはまずまず強いことが想定されます。特にカナダとニュージーランドは、中央銀行も引き締め方向で動いていますから、両方が一致すればまずまず買える、強い通貨になることが想定されます。

一方、危険な通貨、下手をすると紙クズになってもおかしくないのがトルコリラで、すでに新規取引を停止するFX会社もあるほどです。

トルコリラ円チャート(週足)

トルコリラ円チャート(週足)

エルドアン大統領がインフレを放置し続けた結果、トルコリラ安が止まらない状況となっています。インフレとは、お金の価値が下がる、結果として物価が上がることですが、適切なインフレを保つために中央銀行は腐心しているわけですが、エルドアンが介入し、利上げさせないことで今の惨状となっています。

あまりのトルコリラ安を受け、「リラ建て預金の価値を政府が保全する」と発表し、一時的に反発する場面もありましたが、結局は売られています。

いずれにせよ、根本的な問題はインフレにあり、エルドアン大統領が利上げをせずに低金利政策を継続するとしている時点で、トルコリラ安のトレンドは変わらないでしょう。

しかも、対外債務を抱える新興国にとっては、米ドル高も重しになります。債務のほとんどは米ドル建てですから、米ドル高になれば実質的に債務が増加し、返済負担が増えることになります。当然ですが、財政も悪化します。

コロナで財政余力が全くない上に自国通貨リラ安が止まらない、そして米ドル高で返済負担増で財政は一段と悪化、さらに損失補填で自転車操業状態と、完全に詰んでると思います。

もはやトルコリラは崩壊のパターンに入っているとも言えるので、絶対に買ってはいけません。ただ、売れるかというと値幅的に取れて最大で9円ですから、取引停止やアップサイドのリスクまで含めると売るのも難しいでしょう。触ってはいけない通貨です。

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