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「電力ひっ迫」電力自由化にも原因か。ホープエナジー破産など窮地に陥る“新電力”にSNS上からは「転売ヤー同然」と冷たい視線

“新電力”会社のひとつであるホープエナジーが、親会社による破産手続き開始の申し立てが決まったと報じられている。

報道によると、負債総額は約300億円。2018年3月に小売り電気事業としての許認可を受けた同社は、主に全国の自治体や公共施設と契約し、約5,000か所に電力を供給していた

ところが近年では、調達費用の高騰で債務超過に陥っていたという。また、送電網の使用料として大手電力会社に支払う「託送料金」の未納が続いていたといい、今月に入り送電契約を打ち切られる事態になっていた。

新規加入受付を停止する新電力も続出

2016年の電力小売完全自由化によって、ガス会社や石油・エネルギー関係の会社からCATV等の通信会社など、様々な業種が参入した“新電力”。

ところが近年では、原油や液化天然ガス(LNG)といった燃料の価格が上昇したことで、卸電力価格が高騰。発電設備を自ら持たない多くの新電力は、電気の調達価格が販売価格を上回るという、要は電気を売れば売るほど赤字という状況になっているという。

このような状況下で、21年には新電力会社のなかでも大手とされていたF-Powerが、会社更生法の適用を申請するなど、倒産するところが続出する形に。さらにここに来て楽天グループ傘下の楽天エナジーや、三菱商事とローソンが共同出資するMCリテールエナジーなどが、電力調達の先行きが不透明、安定した電力の調達が大変難しいなどの理由で、新規加入受付を停止している状況だ。

さらに、法人向けに電力を供給している電力会社のなかには、4月以降の電気料金を大幅に値上げすることを通知しているところも多いようで、そのため企業の間では、従来の電力会社に契約を切り替えようとする動きが顕著になっている模様。切り替えの申し込みが殺到した北陸電力では、現状の供給力では対応できないとして、受付を停止する事態にまでなっている。

いっぽう新電力といえば、過去にいわゆる「市場連動型プラン」で契約していたユーザーの電気代が、月10万円以上にも跳ね上がるという騒動が発生したことも。各社は高騰分の電気料金を全額負担、あるいは一部値引きという対応を行ったものの、この一件による新電力に対するイメージ低下も深刻なものだったようだ。

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現にSNS上では、新電力に対して卸電力取引市場での利ざやで儲けるだけの、単なる転売厨、転売ヤーでしかないとの声も、近年では多くあがっている状況。それだけに今回報じられたホープエナジーの破産も、いたって冷ややかに受け止められているといった印象だ。

電力自由化が電力需給ひっ迫を招いたとの指摘も

日本国内における電力供給を巡る話題としては、先日22日に東京電力や東北電力の管内で電力需給がひっ迫し、関東地方では停電が起こる可能性もあるということで、大きな騒ぎとなったばかりだが、この事態も電力自由化がひとつの遠因となっているようだ。

というのも、以前は電力需給のひっ迫に備えるために、古い火力発電所を万が一に備えて準備しておくケースが多かったようだが、電力自由化によって従来までの大手電力と新電力との競争が激化したことで、コスト削減の観点から効率の悪い古い火力発電所を閉鎖する動きが相次いでおり、そのことが電力需給のひっ迫に繋がっているというのだ。

電力市場に市場原理が導入されれば各社間で価格競争が発生し、消費者にも大いにメリットがあるとして、当初は大いに歓迎されていた電力自由化。

ただ、2016年の開始からこれまでの状況を振り返ると、電気代も安くなるどころか、先述の通りとんでもない価格に高騰する事態も発生。さらには、新電力の存在が電力の安定供給にも影を落としていたことが、今回の電力需給ひっ迫騒ぎで露呈する格好となるなど、どうにも期待外れな結果となっているのが正直なところ。今後はそれらの政策や新電力の存在意義に関しても、議論されていく流れとなりそうだ。

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