ガス代のルーブル支払いに意味はない
ドイツ・インド・中国の、ロシアに対しての「弱腰さ」が目立っている。
ドイツは、天然ガスの供給をロシアから受けなければ、停電が起こってしまうので、天然ガスを買わなくすることができないと判断している。
その支払いをロシア側がルーブルでしろと言ってきたというのに対して、ドイツは断ったというのがニュースになっている。私から見るとこれは、これこそ50歩100歩で、たいした違いはない。
ロシアは、外貨も必要なので、ユーロやドルが手に入るならば、ありがたい話である。もし、本当にルーブルでの支払いをプーチン大統領が要求したとしたら、プーチン大統領は、金融がわかっていない。一時的にルーブルの下落を止めようという考えだろうが、ドイツのガス購入代金ぐらいのルーブルに対する需要がルーブル安を止められるわけがない。
我々の問題は、世界のマスコミがこのことが分かっていないことである。すなわち、ルーブルでしか支払いを認めないとロシアが言ってから、どんどんエネルギー価格が上昇しているのだ。
もしかしたら、プーチン大統領は、金融学的にはインパクトが少なくとも、ルーブルで払えと言えば、エネルギー価格が高騰することを見込んでいたのかもしれない。
交渉では、プーチン大統領の方が西側のリーダーよりも老獪である
中立だった国々が次々と「反ロシア」へ
かつて、大国ソ連の宣戦布告に対して、自国を守った小国としてフィンランドがある。
フィンランドもスウェーデンも、オーストリアもスイスもアイルランドも、NATOのメンバーではない。ところが、今回のプーチン大統領のウクライナ攻撃を見て、フィンランドもスウェーデンも、民衆はNATO入りを真剣に検討することを望んでいる。スイスも永世中立を辞めた。
プーチン大統領の行動は、短絡的と考えざるを得ない。結局、ロシアに対して、中立を宣誓していた国々がどんどん反ロシアになってきているのだ。
これが、ラダキン卿のコメント「プーチンはすでに負けたのだ」というコメントの真意なのだ。
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『房広治の「Nothing to lose! 失う物は何も無い。」』(2022年4月1日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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