日本テレビ系列で不定期に放映されているバラエティ番組『はじめてのおつかい』が、動画配信サービスのNetflixにて公開されたところ、海外で大人気となっているようだ。
Old Enough is the most wholesome show you’ve ever seen — in this unscripted series, Japanese toddlers (ages 2-5) are sent on simple errands to help their parents and the results are just so pure.
20 episodes are now on Netflix. pic.twitter.com/WpzopRA8ct
— Netflix (@netflix) April 11, 2022
英語圏向けには『Old Enough』というタイトルで配信されているという当番組。今月12日にはNetflixの英語アカウントでも取り上げられており、「Old Enough is the most wholesome show you’ve ever seen(これまでに見た中で最も健全なショー)」などと紹介。これでさらに現地での人気が加速している模様だ。
Netflixを通じて初めてこの番組に触れたと思われる海外の方からは「I feel like they embody the purest parts of humanity.(人類の最も純粋な部分を体現しているような気がします)」「arguably the best show ever(間違いなくこれまでで最高の番組です)」などと、激賞する声もここに来て多数あがっている。
The show ‘Old Enough’ on Netflix where a film crew follows Japanese toddlers as they run errands like walking to the grocery store is maybe the most adorable thing ever. It also provides a glimpse into what life would be like if our towns and cities were based around cars.
— Will Menaker (@willmenaker) April 10, 2022
My favorite parts of “Old Enough” on Netflix is the internal dialogue the kids have with themselves. I also love how affirming the parents are. I love kids. I feel like they embody the purest parts of humanity. #oldenough
— Yaz (@Ynjiie) April 7, 2022
I got the whole fam watching Old Enough on Netflix, arguably the best show ever pic.twitter.com/RyjACNusbL
— Ashy✨ (@ActuallySudden) April 9, 2022
英国の高級紙も取り上げる事態に
放送開始は1991年ということで、かれこれ30年に渡って親しまれている長寿番組である『はじめてのおつかい』。
ただ、今回のNetflixでの公開以前より、香港・台湾・ベトナム・タイ・シンガポールなどアジア圏の国々では、現地語吹き替え版がテレビで放送されているといい、さらにイタリアやイギリスなどでは、当番組をモチーフにしたとされる同趣旨の番組が、現地で制作・放送されているという。
生まれて初めて一人での“おつかい”に挑む子どもたちを描くドキュメントである同番組。時には思いもよらぬトラブルに遭遇しつつも、けなげに奮闘する姿に、見ているほうも思わず涙……ということで、まさに子を想う親心は万国共通であるとつくづく思わされるところ。
またそのいっぽうで、幼児が一人でも買い物ができる日本の治安の良さや道路・交通事情の安全ぶり、果てはその都市設計などにも、海外勢からの注目が集まっているようだ。
Every city should aspire to have streets safe enough for 2 year-olds to roam them freely.
Obsessed with this new Netflix show featuring Japanese toddlers exploring their cities — alone!https://t.co/zxgZEG8LNU
(h/t @johnrmyers)
— Tamara Winter (@_TamaraWinter) April 8, 2022
ネットフリックスでTV番組「はじめてのおつかい」の配信が始まり海外で話題に。一番目を引いているのが、都市作りの違い。子供の足で行ける範囲に、小中規模の店がある (車でスーパーに行き、大量購入が普通の米国では、大きな驚き)。都市はこうあるべき、という日本社会の意志の反映と見なしている。 https://t.co/u6Q9yClxdr
— 柴田優呼 / Yuko Shibata @アカデミック・ジャーナリズム (@yuko_shibata_) April 13, 2022
さらに、この盛り上がりを受けてか、先週にはイギリス国内では高級紙のひとつにカテゴライズされている日刊紙「The Guardian」の電子版でも、同番組が取り上げられている。
「the Japanese TV show that abandons toddlers on public transport」というタイトルが付けられたその記事では、日本語のテロップが画面上に絶えず現れる、さらに随所で笑い声や拍手の音が聞こえてくるといった、いわゆる日本のテレビ番組ではお馴染みの演出に対しては苦言を呈しているようだが、番組内容に関しては「It’s an absolute rollercoaster of emotions(それは感情の絶対的なジェットコースターです)」などと、先述のような“子を想う親心”を大いに揺さぶられる番組だと、一定の評価をしているようだ。
次にバズりそうな日本のテレビ番組は?
かつては、NHKで放映された連続ドラマ『おしん』が、様々な国や地域で放映され、エジプトでは放映時間に停電が起きたために、電力会社やテレビ局に民衆が押し掛ける暴動が発生するなど、各国で一大ムーブメントを巻き起こす事態に。さらに『風雲!たけし城』『料理の鉄人』なども、様々な国で吹き替え版や現地制作版が放映されるなど、メイドインジャパンのテレビ番組が世界で人気になるというのは、さほど珍しくもない話。
とはいえ、あの『はじめてのおつかい』が海外でバズったことに関しては、以前から予測していた人はほとんどいなかったようで、日本国内からは一様に驚きの声が。というのも、親が幼い子どもを一人で買い物に行かせるという行為が、海外においては一種の“虐待”にあたるのでは……といった声も、過去にはあったからだ。
『はじめてのおつかい』、10年くらい前にはアメリカでは児童虐待で警察沙汰になる内容だから輸出できないと言われていたっけ。
— 原田 実 (@gishigaku) April 13, 2022
はじめてのおつかいがネトフリ配信になってたのか。リアルな海外の反応見てると「はじめてのおつかいは海外だったら虐待」という海外出羽守の反応が「単なる思い込み」だった可能性が示唆されるな。単なる都市の成立要件の違いであったと。
— Lilalicht_8 (@Lilalicht_8) April 13, 2022
20年以上前に"日本の番組を欧米に見せた時の反応"の一環でもあったが、はじめてのおつかいが結構非難されてたのは覚えてる。
逆に称賛されてたのは欽ちゃんの仮装大賞。
— たろらも(明大前ヴェノム) (@pTarolamo) April 2, 2022
いっぽうで、SNS上の一部では「他にバズりそうな番組はないか」といった議論も盛んで、様々な番組があがるなかでも、こちらも超長寿番組である『仮装大賞』を、海外でのネクストブレイク候補として推す意見がどうやら多い模様。とはいえ、もはや海外では何がヒットするのか予測不能ということで、今後も日本では当たり前のように放映されているような意外な番組が、海外でいきなりバズるといった現象が起きてもおかしくない情勢だ。
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