世界各国が利上げを急ぐなか、日本だけは緩和継続の姿勢を崩しません。実際に日本だけは、インフレ指標を見るかぎりデフレ状態が継続しています。そろそろ思い切った政策転換の必要性に迫られているのではないでしょうか。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)
※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2022年4月15日号の一部抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会に初月分無料のお試し購読をどうぞ。
インフレ指標を見ると確かにデフレ
日本政府も日銀も、日本だけはデフレ脱却ができておらず、主要国がインフレに陥って中央銀行が利上げを決断しても、相変わらずこの状況を受けて日銀だけは緩和を強力に継続するという姿勢を崩していません。
その発言が出るたびに、投機筋は円売りをしかけ、とうとう126円台にまでドル円がドル高円安に振れてしまったのはご案内の通り。
しかし、なぜこんなことが起きてしまうのでしょうか。
足もとではエネルギー価格が高騰していますが、そうした部分を除いたコア消費者物価と呼ばれる世界共通のインフレ指標で見ますと、確かに日本だけがコア物価が下がり続けるデフレ局面を継続していることが見えてきます。
輸入物価は確実に上昇しているのに、なぜこういう数字しか現れないのでしょうか。
原因は消費増税ではないのか?
安倍政権下では景気が回復しているなどという都合のいい判断で、2019年10月にいったん延期していた消費増税を無理やり実施しました。
そして、新型コロナの発生・まん延の結果、またコア消費者物価はマイナスに沈んでいます。
ただ、同じコロナの悲惨な影響を受けているほかの主要国は、昨年後半からコア物価が上昇をはじめており、物価の低迷はコロナが原因ではないことは一目瞭然の状況です。
こうなるとやはりデフレ継続の原因は、給料つまり可処分所得がまったく増えないなかで、消費税増税を断行した結果、増税分を多くの国民が消費を削ることによって防衛し、安いものしか買わないという一貫した消費者行動が定着したことだと考えられます。
消費税増税が重度の消費減退に繋がっていて、消費財の企業も商品を値上げできず、結果的にそれがまた従業員の給与の上昇を妨げる要因になるという「負のスパイラル」を延々と続けていることが見えてくる状況です。
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