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5月相場は「円高株安」へ。雇用統計とISM製造業指数で見えた“調整局面”入り=角野實

米国経済は良い?悪い?

では、GDPは?

出典:TRADING ECONOMICS

出典:TRADING ECONOMICS

ここで、思い出してほしいのは価格の構成要因です。価格の構成というのは基本的には、(1)ドル、(2)金利、(3)GDP になるわけです。

ドルに関しては、雇用が新規雇用人数も、賃金上昇もネガティブな結果になっている、という事実に着目です。ただし、注意は、4月のインフレ指数の発表はこれから、という点です。CPIの発表によって、賃金上昇がインフレ率よりも高い場合には、ドルの価格がニュートラルになるということです。新規雇用は悪材料のまま変わりませんが、賃金上昇がネガティブからポジティブに変化する可能性もある、ということです。

株価に関しては、ISMの通りです。注意点は、月の半ばに発表されるISM製造業の先行指数とされるフィリーやエンパイア指数の通りにも株価は動くということです。

金利は、反転する可能性を念頭に置かなければいけない、ということです。

GDPは、ずっと言い続けているように、「今後も悪い」ということになります。

統計データから出た予測は「円高・金利安」

ドル円は、ドル÷円の計算式で成り立っています。ドルが安くなるということは、これを過去の経緯からさかのぼると、ドルが上昇するたびに、円が売られていたので、ドルが反転すれば円が上昇になる可能性が高い、ということになります。

つまり、今までは「ドル>円」で、ドル÷円を計算すればその解は大きくなる、つまり円安になりました。しかし、今後は「ドル<円」になり、ドル÷円の計算の解は小さくなる、円高になるだろうな、と予測しておけばいいのです。ドルストレートも方向性が変わるよね、ということです。

株価は書いている通り、ISMの通りです。

金利は、利上げをして、先週も10年物国債が新値を取りました。しかし、住宅ローン金利と金利がリンクしているとすれば、そろそろですね。ということがある程度は見えています。

GDPは低下です。

では、これらを価格構成要因で考えていきます。

(1)ドル安、(2)金利安、(3)GDP安 となります。

それぞれ株価にとって、(1)ポジティブ(2)ポジティブ(3)ネガティブということになります。ただし、ファンダメンタルズを支配するGDPが低下傾向になりますので、戻り売りの流れは変わらないということになります。ただ、4月の下落幅よりも、緩慢になるかもしれない、ということがあります。

FRBの狙いは「バブル潰し」

しかし。一番の大元の下がる原因というのは「株価がそもそも高すぎる」ということです。

去年と比較をすればダウは5%安ですが、2年前と比較すると30%も高いのです。その間、経済は5%しか成長していない。それを考えると、この25%の埋め合わせはいつ来るか?という問題になります。

FRBはそれを緩慢に処理するために、いろいろと一所懸命にやっているだけの話で、本音は株価が適正な価格に戻ってもらいたいだけの話です。

要するに「バブル潰しをしたい」だけの話です。

Next: データから見えた事実は株価の「調整局面」

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