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サントリー、「桜を見る会」タダ酒提供が招く売上損失とブランド毀損。なぜ違法企業献金と知っていて今までだんまり?=今市太郎

あの「桜を見る会」前夜祭でサントリーが2017〜19年の3年間で計400本近い酒類を無償提供していたことがわかり騒動になっています。発覚するまでだんまりを決め込んでいた同社のイメージ悪化は避けられず、違法な企業献金にあたると認識していた可能性はかなり高いでしょう。この政治資金規正法違反案件は、想像以上に大きな売上損失とブランド毀損を引き起こすことになりそうです。(『今市的視点 IMAICHI POV』今市太郎)

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※本記事は有料メルマガ『今市的視点 IMAICHI POV』2022年5月29日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。

「桜を見る会」関連で突如として話題にあがったサントリー

サントリーと言えば、酒類・飲料メーカーとして非常に文化的なレベルの高い企業として国内では長く評価されています。同社が制作発信する広告にもそうしたテイストが強く感じられ、国民の好感度も高水準を維持してきました。

ところが、ローソンから雇われCEOとして移籍してきた「アベ友」でお馴染みの新浪剛史氏の下では、政権にすり寄るゴマすり企業と化してしまったようにも思えます。

ここまで築き上げたブランドを傷つける、結構がっかりな状況が露見しはじめています。

そして、安倍晋三元首相の後援会が主催した「桜を見る会」の前夜祭は、常人が考えれば、どうみても納得のいかない決着しかはかられておりません。

安倍事務所側の生贄として一身に罪を背負うことになった配川博之元公設第1秘書の刑事確定記録で、会場のホテル側が作成した資料に「持ち込み」として酒類の記載があることを目ざとくみつけた新聞赤旗が関係者に問い合わせたところ、サントリーが無償提供を認めました。

このことから「桜を見る会」の参加者は3年間、帳簿のどこにも出てこないサントリーのタダ酒を食らっていたことが今頃になってモロバレとなってしまいました。

違法企業献金であることぐらいサントリーはわかっていたはず

この「桜を見る会」の前夜祭が大問題になったとき、恐らく3年間、毎回15万円相当の酒類の提供をアベ友CEOから要請されたであろうサントリーの広報部担当者は、相当ヒヤリとしたはず。それでも、だんまりを続けることで難を逃れ、ひと安心だったはずです。

しかし今回、件の刑事確定記録から無償提供が露見したことで、また窮地に立たされていることが窺われます。

同社の広報担当者は安倍議員事務所から多くの方が集まると聞き、製品を知ってもらう機会と考え、夕食会に協賛したと説明しているようです。

そして、人がたくさん集まるところなら政治家のパーティでもタダ酒を提供するのかよ?という厳しいツッコミが聞こえてくるような状況になってきています。

政治資金規正法では、企業の政治家個人への寄付が固く禁じられています。

サントリーともあろう会社がそれを知らなかったとは決して言えないところ。違法な企業献金にあたる可能性があることを承知で提供していた可能性も高まります。

Next: 競合他社も「提供することはない」とコメント。これでも無罪なの?

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