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エアコン停止で死ぬか、電気代高騰で飢えるか。今夏の電力不足は無為無策の岸田政権のせい=今市太郎

早くも東京都心で猛暑日が続き、政府はさっそく「節電」を呼びかけています。今夏は電力不足の大停電下の熱中症でくたばるか、はたまた暴騰料金で滅びるかの選択を国民は迫られることになりそうで、電力ポイントなど「焼け石に水」以前の問題に陥っている状況です。(『今市的視点 IMAICHI POV』今市太郎)

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※本記事は有料メルマガ『今市的視点 IMAICHI POV』2022年6月26日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。

「節電ポイント」で乗り切るつもりの岸田政権

参院選がスタートしています。

岸田首相は目下のところ、物価つまり値上げの問題に集中している様子。電気代の高騰を憂慮して、いきなり電気代軽減に対するポイント還元制などという、わけのわからない仕組みの導入を打ち出しています。

ただこの夏の電力問題は供給不安と価格高騰という両方の材料が複雑に絡み合っており、ただ単に節電して微々たるポイントをゲットすればそれで済むのかという、大きな問題に直面しています。

昨年末の段階で今夏の電力供給不足は完全に把握されていた

よくよく調べてみますと、昨年12月末に資源エネルギー庁が今年夏の電力不足を予知する分析内容を議論用の資料として開示しています。

これによると昨年11月・12月の冬の期間でも、東京エリアは電力の安定供給に必要な供給力を確保するのに相当苦労しており、2022年夏の供給についても需給がひっ迫することを、この段階で予知していたことがわかります。

理由としては東日本大震災以降原発が稼働しなくなったことをまず筆頭に挙げていますが、それ以外にも火力発電所の休廃止が相次ぎ、供給力に余裕がないことを挙げています。

原発が動かないなかで、積極的で効果的な代替策をなんら構築できていないことが見えてきます。

夏で酷暑がやってくると電力不足が顕在化するというのは、国民のほとんどが予想できるものですが、実はこの国は冬が来ても電力がひっ迫する電力リスク国なのです。

電力不足の問題はロシアがウクライナに侵攻する遥か前から浮上していた問題で、エネルギー政策が国民の命を守る重要な課題であると認識されているなら、足もとの「軍事費の増強だ」「憲法改正だ」という凄まじく乱暴な議論が全面に浮上する前に、根本的な安全保障の問題として議論されなければならなかったことです。

それを何もしない無為無策の岸田政権は、お得意の「検討」すらせずに、足もとでいよいよ猛暑が襲ってくる段階でいきなり国民に不思議な「節電ポイント」制度を絡めながら国民に節電の理解を求めようとしています。

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