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第3次ドーナツブーム到来も時流に乗れないミスドの現状。“大量閉店で苦境”との声も実際は?今のブームも「田舎では無縁」で復活を期待する声も

日本初上陸当時は大ブームを巻き起こすも、一度は店舗数を大幅に減らしていたクリスピー・クリーム・ドーナツだが、このところの「第3次ドーナツブーム」とともに、その人気がV字回復しているようだ。

報道によると、アメリカ発の同店が日本に初進出したのは2006年のことで、当時は店頭での行列も当たり前という入手困難なドーナツとして名を馳せ、最盛期には日本国内で58店舗まで増やしたということだが、その後はブームの陰りもあり、2018年には44店舗にまで減少した。

しかし、その後は直営店舗での販売だけでなく、高級スーパーにキャビネットを設置してドーナツを販売するなど、チャネルの拡大を図ったことなどで、従来までの貴重で特別感のあるドーナツから、気軽に食べられる日常の贅沢といった存在へとイメージを変えることに成功。店舗数も再び増え始め、今年は過去最高の60店舗に到達する予定なのだという。

SNS上で相次ぐミスドの“閉店報告”

今年に入り、様々なメディアによって報じている「第3次ドーナツブーム」の到来。

特に最近持て囃されているのが、手で持つと崩れそうなほど柔らかく、ふんわりとした口どけが魅力だという「生ドーナツ」と呼ばれるもの。都内などを中心にベーカリーやドーナツ専門店などで扱うところが激増しているといい、今年の食のトレンドのひとつだとの声も多いようだ。

ちなみに“第3次”とあるが、これは21世紀に入って日本においてはドーナツのブームが3度到来しているということで、1度目は先述のクリスピー・クリーム・ドーナツの上陸と人気沸騰を皮切りに、「はらドーナッツ」などのチェーン店も誕生したという2000年代後半。

2度目のブームは、大手コンビニがこぞってドーナツの販売を始めた2015年頃。そのタイミングのちょっと前にトレンドとなり定着した、いわゆるコンビニコーヒーとのセット購入も大いに当て込んでの展開だったようだが、こちらは定着とまでは至らず。いつの間にかに店頭から消え、ブームも消え去ってしまった。

今回はそれらに続く3度目のドーナツブームというわけだが、そのいっぽうでこれらのブーム以前から日本国内に存在し、ドーナツ文化を根付かせていたのが、言わずと知れたミスドこと「ミスタードーナツ」。

1971年に国内1号店が誕生して以来、所ジョージさんを起用したテレビCMなどで知名度を上げるとともに、日本各地にチェーンを精力的に展開。一時は全国に1600店まで店舗数を増やしたという。

ところが、近年では急激に店舗数が減少しているといい、運営元であるダスキンのサイトに記載されているデータによると現在は978店と、いつのまに1000店を割り込む格好に。SNS上でも「近所のミスドが閉まってた」といった閉店報告が、ここ最近は度々取沙汰されているといった状況だ。

過去のブームにもほとんど絡んでいないミスド

とはいえミスドの店舗数に関しては、日本国内では減少傾向にあるものの、台湾・タイ・フィリピン・インドネシアといった海外では急増しているといい、インドネシアなどではコンビニ内でも広く販売されているとのこと。そのため、海外での拠点数はなんと9,557拠点にも及んでいる模様だ。

また近年の国内における店舗減のほうだが、事業開始から半世紀が経過したことで、当時との商圏のズレが発生し、そのため不採算となった店舗を整理していたという意味合いも大きかったようで、実際のところ営業利益に関してはここに来て改善いるようなのだ。

ただ、そのいっぽうで多く指摘されるのが、ミスドでは創業以来からの定番商品が今もなお人気の中心で、2000年代前半に誕生した「ポン・デ・リング」以降は、新たなヒット商品を生み出せていないという点。

確かによくよく振り返ってみれば、先述した過去のドーナツブーム、あるいは現在盛り上がっているブームに関しても、ミスドはそのいずれにもほとんど絡んでいないといった印象だ。

ダスキンのサイトには、ドーナツ店の出店数ベースより算出した独自調べの市場シェアとして、約83%を占めているとの記載もあるなど、今もなお日本のドーナツ業界においては圧倒的存在であることは間違いないミスド。昨今のドーナツブームに関しても、「田舎じゃミスド一択」といった声もチラホラあがっていることもあり、ミスドが時代にあった新商品を引っ提げて再び浮上することを期待する向きも結構多いようだ。

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