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実質増税。国税庁「副業300万円以下は雑所得」通達で会社員の節税は封印されたのか?=俣野成敏

サラリーマンに事業所得は認められない?

横田:もしかすると、パブリックコメントを反映させて、若干数字が変動する可能性もありますが、おそらくそのまま適用されるのではないかと思います。

これは税法の改正ではありませんので、2022年1月にさかのぼって適用が開始される見通しです。

俣野:通達が実行に移された場合は、どうなると考えられるでしょうか。

横田:これはあくまで予想ですが、今後は税務書類を出した時点で収入(売上)300万円かどうかで線引きされ、事業所得か雑所得かのふるいにかけられるのではないかと思います。

俣野:入口の段階で機械的に判断しよう、ということですね。

横田:はい。税務職員の数は限られていますから、今までのように内容を精査する時間的余裕がなくなってきたのではないでしょうか。副業売上の少ない人が、本業と損益通算しようとすれば、後で事情を問う手紙が届いたりする可能性もあります。

事業所得にしなくてもいい“奥の手”とは

俣野:そもそも平均収入が400万円台のサラリーマンにとって、副業で300万円を稼ぐというのは、かなりハードルが高いようにも考えられます。どのような対応策が考えられるのでしょうか。

横田:副業売上が300万円に届かない人は、まずはそこを目指していただくことが大前提になるでしょう。

とはいえ、実際は「高い売上を上げやすい仕事」「上げにくい仕事」とありますから、高い売上を上げやすい仕事を始めるというのも方法の1つだとは思います。

俣野:個人事業主は、いくつか仕事を掛け持ちしているのが普通ですからね。たとえば、どのような仕事があるでしょうか。

横田:一例を挙げると、転売ヤーです。転売ヤーは薄利多売の典型例ですが、「売上300万円をクリアしたい」という目的なのであれば、副業の1つとして組み込んでもいいかもしれません。本来は、売上よりも利益が最後にモノを言うわけですが。

それ以外の手段としては、「雑所得のメリットにも目を向けてみる」という方法があります。

Next: 雑所得にも、事業所得にはないメリットがある

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