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残された家族を困らせない“終活”準備。シニアライフに不可欠なお金の基本【第3回~持ち物をどう整理するか?~】=牧野寿和

4-3. 借入金の処理

借りたお金の返済は、具体的には住宅ローンや自動車ローン、また、クレジットカードのキャッシングで借りたお金やリボリング(リボ)払いも、極力、現役中に完済するようにすべきです。

なぜなら、老後の生活では、現役中より収入が減るため、現役中と同じ金額を返済することは無理だからです。

したがって、老後の生活では借入れをしなくてもいいように、現役のうちから老後の収入で生活していけるように慣れておくことが大事なことです。

4-4. 事業の継承

アパートやマンションなどを建てて、賃貸住宅経営をしている場合、家賃収入が老後の安定した収入と思っている方もいるでしょう。確かにその通りです。

しかし、老後の生活は数十年続きます。その間に賃貸物件も傷んできます。入居者を確保して空室を減らすため、また住んでもらい商品である建物を維持するためにも、修理やリフォームといった費用が必要になります。

このような状態になる賃貸物件を、子どもに相続するのか、ご自身で処分するのか、相続にするにあたっては、子どもの家計の負担も考え、子どもの考え方も聞いて、決めておくことも必要でしょう。

なお、子どもが相続をするにあたって、家賃収入は見込めますが、それに伴う所得税などの納付、上記のような維持費の負担も考慮すべきです。

また、相続の時期に当たっては、相続時精算課税制度(※1)を利用することも、検討すべきことです。

このほかの事業の承継についても、承継する人を早めに決めて、承継の準備を進めていくことが大切です。

(※1)相続時精算課税制度の詳細は、国税のHPを参考にしてください。
相続時精算制度の選択

まとめ

現役を引退したら、あれもこれもしたいと考えていても、実際にすぐに行動する人もいれば、もう少しして始めると言いながら、すでに70歳を過ぎている人もいます。

また、老後の生活に入ってから、行動計画を立てても実際に行動するためには、費用がかかることや身体の衰えで思い通りの行動ができないこともあります。

また、上述の相続や事業承継のように、結果的に子どもの家計が潤うかもしれません。しかし、負担を掛けるだけになりかねません。

親の老後の生活でのお金の計画がしっかりしていれば、子どもの負担は少なくなるでしょう。

つまり、老後に向けてのお金の基本は、

・お金の使い方の動線は、現役の間に決める
・一時的であっても、子どもの家計に負担がかかることは、子どもの意見を聞きながら決める

つまり、持ち物の処分を含め、ご自身のお金を使っていくことを決めなければなりません。

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image by:metamorworks / Shutterstock.com
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【人生の添乗員(R)】からのワンポイントメッセージ』(2022年8月31日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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