投機筋と当局の対峙激化は相場に凄まじい影響を及ぼすリスクに
さながら1992年のジョージ・ソロスのファンド勢とBOEの激しい価格水準順守の攻防が思い出されるところ。しかし、いくら日本の金融当局が介入原資は無限大と豪語しても、さすがに使える上限はある状況です。
一方、投機筋もレバレッジをかければ400兆円以上の原資を投入可能と言った見方もありますので、本当にこうした一定の為替水準を睨んだ介入とそれを突破しようとする動きが深刻化した場合には、かなり悲惨な相場が示現する可能性があります。
とくに今週は28日にまたしても日銀政策決定会合が開催されますから、黒田総裁の会見で2~3年は利上げなどしないという話が再確認されたところで、また相場は飛び上がるリスクが高まります。
思い返してみれば、前回の介入もFOMCを経て日銀会合後に行われています。
ですから、ここからも黒田発言がある度に相場が跳ねて、それを財務省が介入で抑えてかかるという茶番劇を延々と繰り返すのかどうかに相当な注目が集まります。
財務省がまさかの介入ギブアップなどという事態になれば最悪の展開に
本来はイールドカーブコントロールの上限金利を0.1%でも弄れば、簡単に円安が解消もしくは上昇抑止になるものと思われます。
しかし、それをやらない。いや、「できない」のが日銀の現状です。
それを是正するために、いったいどこまで真剣に財務省が介入を続けるのかは、今年年末に向けて非常に大きな問題になりそうです。
覆面介入ということで、米国のイエレン財務長官もすっとぼけて見せたのかも知れませんが、全体のトーンとしては、介入はいつでもいくらでもしてくださいというほど好意的な印象は「ない」のが実情です。