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レイ・ダリオが警告する「戦争フェーズ」突入。この先10年は最悪のリターンが続くか=今市太郎

戦争とはどういうことを示唆しているのか

レイ・ダリオは国家間の戦争について、5つの定義をしています。

「貿易/経済戦争」「技術戦争」「資本戦争」「地政学的戦争」「軍事戦争」ということで、ステージが進むほど本格的に弾が飛び交うリアルな戦争に突入することを示唆しています。

具体的な戦争の火種としては、ロシア・ウクライナ・NATO戦争、米国と中国の台湾紛争、イランの内外の紛争、北朝鮮の緊張が挙げられています。

こうした要因は並行して動いているだけに、複数が同時期に火を噴く可能性も十分に考えられるところ。

足もとではNATOを巻き込むウクライナ・ロシアの地政学的戦争への拡大から、米国さえも巻き込む軍事戦争が非常に危惧されます。

また習近平による絶対的体制が確立した中国が台湾に侵攻し、最終的に日本が巻き込まれる形での米中戦争に発展することもかなり心配です。

戦争になって利益が確保できるのは、戦勝国の一部の為政者だけ

日頃戦争の勃発という話については何となくリスクは感じているものの、リアルな金融投資活動でどのように考慮すべきかを検討している向きは、プロを含めてかなり限られているのが現状でしょう。

ただ、レイ・ダリオはこうも指摘しています。1900年から世界の主要10大国の資産の実際のリターンを調べてみると、新しい事実が浮上することになっているのです。

レイ・ダリオの調査の対象となったのは、英国、米国、中国、ドイツ、フランス、ロシア、オーストリア・ハンガリー、イタリア、オランダ、日本で過去2回の世界大戦では戦勝国になったところも敗戦国になったところも含まれています。

ただ10か国のうち7か国では、富が少なくとも一度は事実上一掃され、富が一掃されなかった国でも資産収益が本質的に財政的に破壊されたひどい数十年を経験することになるというのです。

実際のLinkedInの文書は、以下からご覧になれます。
https://www.linkedin.com/today/author/raydalio

株式の利益などはやはり平和の収益で、とくに足もとのように核攻撃で相互に甚大な被害が出るような状況下では、もはや金融市場で利益を得ること自体がまったく難しいであろうことを痛感させられるところです。

Next: 「戦争」状態の相場で私たちはどう振る舞うべきか?

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