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米中間選挙後にウクライナ支援“打ち切り”も?トランプの岩盤支持層は熱烈なプーチン派、バイデンが急かす政治交渉での終戦=高島康司

共和党のトランプ岩盤支持層である福音派の動向について紹介する。なんと彼らは熱烈なプーチン支持である。中間選挙でトランプ派の共和党が優勢になると、ウクライナ支援に大きな影響が出て来ることは間違いない。(『 未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ 未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ 』高島康司)

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ロシア軍のヘルソン市放棄と交渉の圧力

前回の記事では、日本では報道されているほどウクライナ戦争でロシアが負けているわけではない状況を紹介した。

日本ではロシア軍の損害が一方的に報道されるだけで、ウクライナ軍の損失は伝えられることはない。両者の損失を客観的に伝える軍事系シンクタンクの情報などを参照すると、実際に状況は日本国内で喧伝されるものとはかなり異なっていることが見えて来る。

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もちろん、ロシア軍が大勝利しているわけではない。ウクライナ軍とロシア軍の損害の大きさを比較すると、ウクライナ軍の損害の方がロシア軍のそれよりも約1.5倍ほど多いことが明らかになっている。このような状況が続くと、時間が経てば経つほどウクライナ軍の損耗はかさみ、戦い切れなくなる状況も想定される。

ウクライナ軍に大きな損失が出るなか、ウクライナにとっては大きなニュースがあった。

ロシア国防相ショイグとロシア軍総司令官スロビキンは、ドニプロ川東部へのロシア軍の撤退を発表した。これでドニプロ川西部にあるヘルソン市も放棄したことになる。これは、ウクライナにさらに4万6,000平方キロメートルの領土を流血なしに与えるということを意味する。

ロシア軍は撤退の際、これまで支配していた地域のほとんどの橋を爆破してウクライナ軍の進軍を遅らせ、ロシア軍はすでに東岸のスニフリッカを含むこの地域の3つの町に到達している。これからロシアは、ドニプロ川という自然の大きな障壁を利用してウクライナ軍の進撃を止めながら、ザポリジャー、ドネツク、ルガンスクに兵力を集中させるだろう。

この撤退がどのような経緯でなされたのか、多くの情報がある。先頃バイデン政権のジェイク・サリバン特別補佐官はキーウでゼレンスキー大統領と会談し、ロシアとの協議は行わないとするゼレンスキーの態度を改めるように促した。ロシアとの政治的な交渉に向けての一種の圧力とも受け取れるものだ。

さらにサリバン特別補佐官は今度はロシアに赴き、プーチン大統領の外交政策顧問であるユーリ・ウシャコフ、さらにニコライ・パトルシェフ安全保障会議書記とも会談した。その目的は、ウクライナ戦争のエスカレートのリスクを回避し、コミュニケーション・チャンネルをオープンにしておくことであり、ウクライナ戦争の解決について議論することではなかったとしている。だが、サリバンがゼレンスキーにロシアとの対話を促しているので、ロシアにも対話の提案を行った可能性が指摘されている。

その証拠に、ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は、ロシアがウクライナとの交渉を拒否したことはなく、「もちろん、現時点で生じている現実を考慮しながら」交渉する用意があると強調している。

こうした状況を見ると、ウクライナ支援に疲れ政治的な決着の可能性を模索するバイデン政権が、ウクライナがロシアとの対話のテーブルに着きやすくするため、少なくとも表向きは貴重な勝利をウクライナに与えた可能性も指摘されている。交渉の可能性を積極的に模索するロシアも、これに応じたとも考えられる。

つまり、今回のヘルソン市を含めたドニプロ川西岸からのロシア軍の撤退は、政治的な交渉が始まる最初のサインだったのかもしれない。少なくともそうした見方が、スペインの著名な軍事シンクタンク、「Ejercitos」などから出ている。

一方、ヘルソン州の戦線におけるウクライナ軍の死傷者は1万2,000人に到達している。これは死傷者が1,500人から1,700人のロシア軍の7倍から8倍の多さだ。ロシア軍のドニプロ川西岸からの撤退は、多大な損失を被っているウクライナ軍にとっては、願ってもないことだった。

Next: 米中間選挙の結果がウクライナ戦争を左右する?

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