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日銀と政府が大喧嘩。黒田総裁「実質利上げ」と岸田首相「物価目標2%柔軟化」は日本株と円相場に何をもたらすか?=角野實

物価目標を下げたらどうなるのか

アメリカなら物価上昇が2%以上、物価が上昇するということはGDPも上昇し、将来は有望……と考え迷わずドルを選択するでしょう。

日本は、物価は0、GDPも伸びない、こんな通貨を誰が買うのか……ということになります。

実際、今回の円安は、日本人投資家が日本国内にめぼしい投資先がないということで、アメリカのビックテックなどに一斉投資したことが主因であると思われます。

そこに、岸田さんが、物価目標を仮に2%から1%に変更したらどうなりますか?

アメリカは2%を達成する可能性が高く、日本はその1%でも怪しい。となると、また今年の秋に起こったハイパー円安になってしまう、という危惧があったのです。だから、私は岸田さんのことを「音痴」と言い放ったのです。この説明を聞いて、私が音痴という理由にある程度は得心がいったと思います。

要は物価目標を2%以下にするというのは究極の円安政策であり、そんなことをすれば通貨の番人・日銀は反対するのに決まっているのです。

一方で、2%以下にすることに賛成する人たちも、10年間やっても、黒田はそのうち、そのうちと言っているけれどちっとも達成できない、こんな目標を撤廃しろ……というのは合理性があると思います。

でも、これをやれば、おそらく今度は150円ではなく200円の円安だろうね、ということが多分、私は内幕だと思っています。

このストーリーを実際に起こっていることに当てはめるとすべての事実と整合性があり、たぶん、間違いないだろうねと思います。

日銀の気味悪さ

今回のイールドカーブ・コントロール(YCC)政策変更に関して、一番、気味が悪かったのは、「全員一致」でこのYCC政策の変更を賛成していることです。これ、おかしいよね?ということです。

まだ各委員のコメントがありませんのでなんとも言えませんが、黒田総裁がこれまで「YCCの変更はありえない」と言ってきたのに変更するのですから、1人や2人の反対がいてもおかしくないのに全員賛成。これ、なんか裏があるよね?と思うのが普通です。

参考までに、黒田総裁はマイナス金利も「導入しない」と言いながら導入し、そして今回も「YCC維持」と言って変更、誰も、今後は彼の言うことなど信用しないでしょう。私は、黒田総裁の記者会見の聞きにくい、痰を切る、声が小さい、言語不明瞭なのを見て、「この人はロクな辞め方をしないよ」と言っていたのですが、ほぼ、正解だろうと思います。それを10年前から言っているのですけどね。

おそらく、日銀の存在を政府に全否定をされたことによって、大きな亀裂が生まれているのだろうと推測することができます。

では、日銀はYCC変更によって何をしたいのか?ということを解説します。

Next: 日銀はYCC変更によって何をしたいのか?マーケットへの影響

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