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2023年、スマホはこう進化する。急速10分充電、折りたたみ大画面、中国産半導体でファーウェイ復活ほかトレンド最新予測=牧野武文

ロールディスプレイスマホの実機が登場か?

そこで、2023年に期待をされているのがロールディスプレイスマホです。OPPOが2020年にコンセプトモデルOPPO X 2021の実機モデルを発表して話題になりました。

▲OPPOが発表したロールディスプレイスマホのコンセプトモデル。発売が遅れているが、多くの人から期待をされている。

一見、普通の6.7インチのストレート型スマホですが、横に引き伸ばすと7.4インチにまで拡大できます。ディスプレイがロール紙のように巻き取られており、伸ばすとそれが出てくるというものです。特に大きいのが、16:9や4:3の大画面にできることで、映像を見るのに大画面で楽しむことができます。

また、ソフトウェアキーボードもフルキーボードが利用できるため、仕事用としても使うことができます。PCを不要にするポテンシャルを持っています。

その名前の通り、2021年に発売する予定でしたが、発売されず、2022年も結局発売はされませんでした。何か技術的な問題か、価格設定上の問題があったのかもしれません。しかし、中国のTCLやvivoもロールディスプレイスマホのコンセプトモデルを公開し始めているため、今年2023年にはどこかのメーカーが発売にこぎつけるかもしれません。

衛星通信の本格化

2023年は、スマホの衛星通信の活用が本格化をする可能性があります。アップルは、2022年9月にグローバルスター社の衛星経由でメッセージを送受信できる機能をiPhone14に搭載することを発表しました。

しかし、その前日、ファーウェイは自社のスマホ「Mate 50」に、中国の測位衛星である北斗(ベイドゥ)経由で、位置情報付きのメッセージの送受信が可能になる機能を搭載したことを発表しました。中国国内では最大560ビット(漢字40文字。テキスト、画像、音声も可能)の衛星経由のメッセージがスマートフォンで送受信できるというものです。

中国にはまだまだ人が住んでいない土地がたくさんあり、そのような場所では携帯電話ネットワークが提供されていません。そのような場所であっても、衛星経由でメッセージ交換ができることになります。当面は山岳地帯や海洋で遭難した場合の緊急通報や探検、調査などでのメッセージ交換に使われることになりますが、人間の活動範囲を大きく広げてくれるツールになる可能性があります。

スマホの進化は止まらない

おわかりのように、今、進行しているスマホの進化は、以前の画面解像度やカメラの解像度のような万人に必要とされるものではありません。ご紹介した新機能の中で全員に関わるものといえば急速充電ぐらいです。

しかし、例えばサムスンが挑戦しているレイトレーシングなどは、後々大きな変化を起こすことになるかもしれません。例えば、地図アプリを開いたら、ビルなどの建物が空中写真で撮影したかのようにリアルな表現になるかもしれません。道に迷っても、現実の風景と地図の風景を重ね合わせることで、正しい方向を知ることができるようになります。

さらに、AR、VRと組み合わせることで、リアルに再現された街の中を歩き回ることができるようになり、そこが誰でもアクセスができるメタバース空間になれば、現実とは違うけど、現実のようにいろいろな人で賑わっている仮想空間、パラレルワールドを楽しめるようになります。

まだまだスマホは進化をしていきます。これ以上の進化は必要がないと感じている方は、スマホを“携帯電話”というカテゴリーで考えているから、そう思うのかもしれません。スマホはもはや、常に携帯をする基本デバイスです。そう考えると、まだまだ進化は道半ばに思えてくるのではないでしょうか。

中国だけでなく、世界的にスマホの販売台数が下降気味です。わかりやすい進化が少なくなったため、買い替え欲求が弱く、買い替えサイクルが伸びていることが最大の原因です。このため、中国の各スマホメーカーは、生き残りのために、さまざまなテクノロジーを投入し始めています。今年は、スマホの話題が多い1年になりそうです。

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  • vol.141:Z世代お気に入りのスマホはOPPO。コモディティ化が進む中国スマホ状況(9/12)
  • vol.140:始まった中国義務教育の情報教育。どのような授業が行われることになるのか(付録)(9/5)
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  • vol.125:5分でバッテリー交換。急速充電の次の方式として注目をされ始めたバッテリー交換方式EV(付録)(5/23)
  • vol.125:5分でバッテリー交換。急速充電の次の方式として注目をされ始めたバッテリー交換方式EV(5/23)
  • vol.124:追い詰められるアリババ。ピンドードー、小紅書、抖音、快手がつくるアリババ包囲網(5/16)
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  • vol.119:主要テック企業はリストラの冬。安定成長へのシフトと香港上場問題(4/11)
  • vol.118:北京冬季五輪で使われたテクノロジー。デジタル人民元から駐車違反まで(4/4)

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  • vol.107:(付録)トラブル事例から見た中国ECの消費者保護。クーリングオフと覇王条款(1/17)
  • vol.107:トラブル事例から見た中国ECの消費者保護。クーリングオフと覇王条款(1/17)
  • vol.106:電動自転車がいちばん便利な乗り物。コンパクト化が進む中国の都市(1/10)
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  • vol.096:国潮と新国貨と国風元素。中国の若い世代はなぜ国産品を好むようになったのか?(11/1)

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image by:Mr.Mikla / Shutterstock.com
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知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード 知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード 』(2023年1月16日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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