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スシロー“ペロペロ”迷惑動画で株価急落…総額168億円消失。ネット上では“寿司テロインサイダー”続出の危機も取沙汰

卓上の醤油ボトルの注ぎ口や未使用の湯飲みをペロペロ舐める動画が出回るという、いわゆる“寿司テロ”の被害に遭ったスシロー。その運営会社である株式会社FOOD&LIFE COMPANIESの株価が、大幅下落したことが大いに取沙汰されている。

東証プライム上場企業のFOOD&LIFE COMPANIESだが、1月31日の取引開始から株価が大幅下落し、その日の終値は2,870円と前日比で145円安、下落率4.81%でその日の取引を終える結果に。これにより時価総額168億円が消失した格好だ。

「資さんうどん」でも迷惑動画の被害が

回転寿司チェーンにおける株価の大幅下落といえば、2019年にアルバイト従業員による不適切動画のアップロードという、いわゆる“バイトテロ”被害に遭ったくら寿司で、1日で27億円吹っ飛んだというが思い浮かぶところだが、今回の客からの“寿司テロ”による消失額は、それを軽く凌駕する巨額なものに。

ちなみにスシローを運営するFOOD&LIFE COMPANIESといえば、昨年「おとり広告」を巡って消費者庁から措置命令が出されたり、ビール半額を謳いながら定価で販売していたことが判明したりといった不祥事が続出したことで、21年末の段階で4,300円あたりを推移していた同社の株価が、翌22年8月頃にはその半額程度まで落ち込む事態になったことが。

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その後はじわじわと株価を上げ、今回の件の直前にはようやく3,000円台まで回復していた同社株だったが、回転寿司業界を襲う“寿司テロ”の煽りを大いに受け、再びの大幅下落となってしまったようだ。

このところ相次いで発覚している回転寿司店への“寿司テロ”。各メディアによる盛んな報道にくわえ、先のはま寿司に続いて今回のスシローの件も、犯人からの謝罪を拒絶し被害届提出など厳正な対処を取ることを表明したことから、今後は鳴りを潜めるのではないか……という希望的観測もあった。

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ところが、ここに来て今度は福岡県内などに店舗があるローカルうどんチェーン「資さんうどん」で撮影されたとみられる迷惑動画が拡散中と、逆にその被害は回転寿司店に留まらず、格安外食チェーン全般に広がりつつある状況だ。

資さんうどんの件も含めた、これら一連の迷惑動画の投稿は、動画の内容から推測するに、いずれもZ世代と呼ばれるような若者連中の仕業とみられ、SNS上で注目を集めて自らの承認欲求を満たしたい、あるいは単なる内輪受けのためといった、いたって幼稚な動機ではないかと推測されている。

しかし、今回のように株価にも多大な影響を及ぼす事態となったことで、例えば空売りして客テロするといった、一種の“インサイダー”も可能なのでは……といった見方も、一部からは浮上しているところ。

“後先考えないバカの愚行”とされていた迷惑動画の投稿だが、仮にそういった“金になる話”として行う連中も出始めれば、この手の話は鳴りを潜めるどころかさらに増えていく可能性も大で、店やチェーンが被る被害はより甚大なものとなることも考えられそうだ。

不安払拭のため店側の多額出費は不可避か

このように回転寿司業界のみならず、今後の外食産業全体の浮沈にも関わるといった事態にまで発展している、一連の迷惑動画問題。チェーン各社やその株主はもちろんだが、その利用者の間からも、今回の件は見せしめや今後の抑止力といった観点から、相当な厳罰を与えることが必要だとの意見が多いようで、SNS上の反応をみると「極刑にして」「即刻死刑」といった過激意見も散見される。

それだけ今回の件に関しては、怒り心頭といった向きが多いということの証左でもあるのだが、実際のところ卓上の醤油ボトルをペロペロしただけで死刑にするというのは、口内に毒物を仕込んだうえのペロペロで、大量虐殺を企図したなどといった話でもない限り、日本の刑法では望み薄といったところ。

さらに、刑事にしろ民事にしろ、今後の見せしめや抑止力となる判決の確定までには、かなりの時間がかかるだろうということで、やはり店側のほうでこの手の迷惑行為ができなくなるよう、何らかの対策を早急に取るべきだといった声も多いようだ。

具体的な話としては、やはり「監視カメラの設置」という意見が多いようで、実際にはま寿司では、利用客が受け取った商品を判別するために、すでにレーン上に導入されていた「AIカメラシステム」を、今後は不適切行為の検知にも活用することを決めたようだ。

また、今回の犯人像であるZ世代を排除するために“18歳未満だけでの利用お断り”、さらには着席後の“スマホ撮影禁止”“SNS投稿禁止”にすべきといった意見も。とある回転寿司チェーンでは、数年前にZ世代向けの“世界一映える寿司屋”といったコンセプトの店舗を原宿にオープンさせ、大きな話題になったこともあったが、今や状況が状況だけに“映え”や“SNS拡散”で集客、などと言ってる場合じゃないだろうといったところか。

この他にも、はま寿司にいるペッパーくんの目からビームが出るようにして、不心得な客を取り締まるといったアイデアも飛び出すなど、様々飛び交っている迷惑客対策。いずれにしろ店側がそれ相応の費用をかけ、目に見えるような形で厳重かつ効果的な対策を行わない限り、利用者の不安は払拭されないだろうといった話となっており、回転寿司チェーンをはじめとした外食産業としては、かなり難儀な展開となっていることは間違いなさそうだ。

Next: 「回転寿司での迷惑行為が目立つが、対策としては…」

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