千葉県内では有数の進学校である千葉県立千葉高等学校で発生した、生徒による現金盗難の一部始終が映された動画がSNS上で拡散。学校側が動画を撮影した生徒に対して「動画をすぐに消せ」などの口止めを図ったという話が広まり、大きな騒動となっている。
「全国トップクラスの名門公立高校・千葉高校(偏差値75)にて現金盗難事件が多発し、学校側がなんの対策もしないため生徒らが自主的に無人の教室へスマホを設置したところ、窃盗犯(生徒)の撮影に成功→学校側へ提出するも窃盗犯が一切処分されず被害者への説明もなかったどころか、教諭が撮影した生徒ら… https://t.co/7cNN9f4SHV pic.twitter.com/M8P4PRAT49
— 滝沢ガレソ (@takigare3) February 13, 2023
ツイッター上の当該投稿よれば、校内で現金盗難事件が起こったものの、学校側は対策を取らなかったことに業を煮やしたある生徒が、無人の教室にスマホを設置したところ、犯行の模様の撮影に成功したとのこと。
ところが、その動画を学校へ提出したものの窃盗犯には一切処分が下されず、被害者への説明もなかったどころか、撮影者に対しては「動画をすぐに消せ」「警察には絶対に言うな」と隠蔽を図るような発言もあったということで、撮影者の学生がインフルエンサーに依頼し、その動画を拡散させて事実を広く知らしめようとしたというのが、事のあらましのようだ。
学校側は口止めを「加害者の人権への配慮」と弁明
毎年、東大をはじめとした難関国公立や早慶上理などの難関私大に、卒業生が多く進学するという県立千葉高校。その生徒による、今回の動画拡散による大騒動というわけだが、いっぽうでこのところは“寿司テロ”呼ばれる飲食店への迷惑行為動画の拡散が、大きな問題になっているのはご存知の通り。
いわゆる“寿司テロ”が、さながらチキンレースあるいは自爆的といった性格を帯び、身バレもものとせずなぜそのような行為に及ぶのか、常人には理解にかなり苦しむ反面で、今回の県立千葉高校の生徒は“寿司テロ”犯と年代はほぼ同じにも関わらず、その行動の意図がとても分かりやすく、なおかつ流出元の生徒としてはほぼ理想通りの展開となっているだろうということで、流石に地頭の違いは歴然といった印象も受けるところだ。
いっぽう今回の動画の拡散によって、否が応でも表立った対応をせざる得なくなったのは学校側。
この騒動を受けて、県立千葉高校は自身のサイト上にて「本校に関するネット上の情報について」という文章を公開したのだが、そこには「本校において、生徒による現金の盗難事故があったことは事実でありますが、一部事実と異なる情報がありました」と、盗難が実際にあったことを認める一文が。
しかし、その文中では盗難事件ではなく盗難事故と、あくまでも故意ではないという意味合いの“事故”というワードをなぜか使っており、これに対してSNS上では「事件を事故と言ってしまうあたり、学校の体質が知れますね」と、新たな批判を呼ぶ格好となっている。
そもそも、盗難は“事故”ではなく“事件”。これを事故と表現しているあたりに、千葉高校の姿勢が透けて見えているのかもしれない。https://t.co/IoASzgw2Ht
— the_audience (@theaudience10) February 13, 2023
盗難事故?
事件を事故と言ってしまうあたり、学校の体質が知れますね。
事故ってのは、偶然起こるものであり窃盗は故意による事件。 pic.twitter.com/czMK6lhg2F— 晴海 (@rmad0710rmad) February 13, 2023
さらに学校側は、各メディアからの個別の取材にも対応しているようなのだが、そのなかで、「動画をすぐに消せ」「警察には絶対に言うな」という教員からの口止め発言があったのではという話に対し、学校側は「生徒個人の端末に仮に拡散すると大変なことになる動画を保管しておくのは適切ではない」と、昨今の“寿司テロ”騒動を多分に意識しているような回答をしていた模様。
さらに学校側は「加害者の人権への配慮もある」とも答えたようで、これは旭川14歳少女いじめ凍死事件で、教頭が被害者の母親に言い放った「加害者にも未来がある」を彷彿とさせる、まさに“いじめ隠蔽”の学校と全く同じ反応。それだけにSNS上では「県立千葉高校はイジメが起きても揉み消すんだろうな」「本当に大切なのは自らの保身なんだろう」などと、さらなる批判が沸き上がっているといった状況だ。
県立千葉高校はイジメが起きても揉み消すんだろうな#県立千葉高校
— たつみん (@kana_chamo) February 13, 2023
千葉高校
盗難事故まさに旭川イジメ致死事件で「自殺教唆犯罪者の未来の方が、死んだ人間の未来より大切である」と主張してる教師たちと同じ
本当に大切なのは自らの保身なんだろうけどさ https://t.co/vDBYVbG4Sz
— mytee (@mytee12) February 14, 2023
動画拡散で入試倍率にも影響か
今回の件に限らず、いじめ事件などの度に取沙汰される学校の隠蔽体質。いじめが発覚すると、その学校の校長や教師の査定が下がるから、あるいは私立校だと志願者減に繋がるから……などの理由で、そういった不祥事を学校側は隠したがるというのがいわば定説なのだが、今回の県立千葉高校のケースでいえば、今まさに同県公立高校受験における志願変更期間が始まる直前のタイミングだったということ。
志願変更これからだったよな、県千葉の倍率下がって県船と千葉東に向かうのだろうか。
— 白いごはん。 (@shiroigohan2022) February 13, 2023
ついに認めてしまった(汗)
しかも志願変更期間前に拡散してしまった。
この影響がどう出るか?
同校を回避した際の周辺名門校の倍率が上がる可能性アリ。
名門・千葉県立千葉高校、生徒による現金盗難事故を認め説明「警察とも連携しながら取り組む」(スポニチアネックス) https://t.co/3a49LKY1Fe— 超塾講師 (@cho_jukukoushi) February 14, 2023
学校側としては、入試の志願倍率の増減にも影響しかねない今のタイミングで、不祥事が露見することは絶対に避けたかったに違いないだろうが、逆に考えればこのデリケートなタイミングで拡散させることを、流出元である生徒は狙っていた可能性も大いにありそうだ。
このように、校内で起きた不祥事に対してとかく動きが悪く、場合によっては何もしないといったことも多々ある学校側を、動画一本の拡散で大いに慌てさせて動かしたという、一種痛快な話としても受け止められている感もある今回の件。だが、今回の件が“成功譚”として広く受け止められることになれば、今後例えばいじめに遭った際に、学校はおろか警察もすっ飛ばし、いじめを受けている動画の拡散で一気に解決を図ろうとする動きが続出する可能性も、無きにしも非ずといったところ。
千葉高校で盗難事件、加害生徒の動画拡散が波紋 副校長「加害者の人権への配慮もある」 [ENCOUNT] https://t.co/XUPN5T02zA
「超エリート高校」だそうな。
結局イジメ問題の解決法は教師でも教育委員会でも警察でも無く動画撮影して加害者を私刑にするしか無くなるんじゃないか?#千葉高校— ぴーびー (@peavy_nyanko) February 14, 2023
ネットリテラシーをどう教育するか?
キチンと教えなければ教育現場の隠蔽体質増幅効果となって不信感が高まり、収拾がつかなくなりますよ。名門・千葉高で「生徒による盗難」、SNSで情報拡散 学校は一部認める(産経新聞)#Yahooニュースhttps://t.co/j4Tq1dPpUG
— しゅうれい (@syureihyper) February 14, 2023
実際2022年には、熊本の秀岳館高校サッカー部内における体罰行為が、SNS上で大拡散されるという騒動があったことも記憶に新しく、そういったムーブの兆候は確実に芽生えている。学校側としても、これまでの“隠蔽”といった方法論がもはや全く通用せず、さらにひとたび騒動となればコントロールは不可能だという現実を目の当たりにし、戦々恐々といったところだろうか。
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