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強引に原発“60年超運転”に舵を切る岸田政権の暴走を誰も止められないのか?またも「国民への丁寧な説明を尽くす」の嘘=今市太郎

原子力規制委員会の学者は本当にまともな学者なのか?

もうひとつ気になるのが、原子力規制委員会に参加している学者連中の対応です。

委員のひとりである石渡氏は原子炉等規制法の改正に反対を表明していますが、ほかの学者はいったい何を議論し、委員会として反対を強硬に表明しなかったのでしょうか。

最大60年と決められている原発の運転がこういとも簡単に変更されてしまうのでは、いったいなぜこうした枠組みを最初に作ったのかまったく意味がなくなります。

そもそも規制委員会総出で反対すべき事案ではないかと思うのは、私だけなのでしょうか。

原子力村という狭い社会の中で体制に順応してなんでも政権と役人の言うことはふたつ返事でエンドースする学者がいることには本当に呆れるばかりです。

旧車イベントで垣間見た40年前、60年前の車から思うこと

先日、国内の旧車愛好家が保有している車を集めて展示するというイベントを見る機会があったのですが、そこにちょうど40年前のスポーツカーや60年前の国産車が展示され、細かくチェックすることができましたし、オーナーの方のお話を伺うことができました。

みなさん旧車好きですから古い車を大切に保有して乗られていることがわかりましたが、見かけは確かに綺麗な車であっても、40年以上ともなれば経年変化は驚くほどのものがあるそうで、乗らずに大切に保管していても故障や壊れる部品は後を絶たないとのこと。やはり古い機械を維持するというのは並大抵ではない、と語っていたのが非常に印象的でした。

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車と原発を単純比較するわけにはいきませんが、工業製品といえども40年前あるいは60年前のものというのは、最新の機械とはまったく異なるもの。原発といえども同様の古さは現地の施設をみれば一目瞭然の世界であることは、容易に想像できるところです。

書類の上では60年超の利用など大した問題ではないと思っている政治家や官僚が多いのだろうと思いますが、40年前あるいは60年前の機械製品を見てみれば、「何の問題もない」などという軽口は絶対に叩けない状況に陥ります。

自動車に限らず家電製品などの機械をすべからく眺めてみますと、とてもではないですが60年後に最新設備と互角で何の遜色もなく利用できるものなどないのは火を見るよりも明らかな状況です。

ぜひ老朽化した原発がどんなものなのかをもっと国民に詳らかにすべきで、電力不足だから仕方ないなどという安易な判断は絶対に避けるべきです。

Next: 開発者は60年後も使い続けることを想定していたのか?

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