先週の金利マーケット市場はひどかった
そもそも先週の金利マーケット市場は「ひどい」の一言に尽きます。
FRB高官が「0.50だ」と言えば金利が急騰し、「いや、0.25だ」と言うと急落。いつもみなさんにお話をしていますが、結局、FFレートというのは、パウエル議長が0.25と言えば0.25、0.50と言えば0.50という結果になっており、そのほかの理事たちの発言など関係がないのに、市場は「センシティブ」に反応している状態です。
ほとんど議会証言で0.25と発言をしているのに、0.50で反応したりと、何をやっているのだろう?と思います。
週初は金利が急騰し、週末は0.25だと高官が言ったことによって急落、おまけに私はあまり関係がないと思いますが、シリコンバレー銀行の破綻によって、リスク回避によって債券高で金利は急落とジェットコースター相場でした。おまけに雇用統計も重なった、というだけの話でしょう。
こうやって原因を分析すれば見えてくる未来があるという、「原因と結果」の因果関係を理解していると楽です。先行きがわからなければ、なぜこうなったのかの分析し、正しい分析であればその分析から見えてくる未来があるよ、というだけの話でしょう。
株価に急騰リスク?マーケットの今後
まず、私が描いているシナリオ。13日午前中までに破綻処理?というよりも買収先がみつかり、午前中までにすべての預金者が自分の預金にアクセスできるような状態になることが前提になります(編注:米金融規制当局は12日、シリコンバレー銀行の経営破綻を受けて、全預金者の資金を保証するための措置を打ち出しています)。
この前提条件から外れた場合には、違うシナリオを用意しておかなければいけません。その場合は、とりあえず金利安・リスク資産安を想定したポジショニングをしなければいけない、ということを念頭に置く必要があります。
また13日午前中と私もお気軽に書いていますが、これは日本時間ではなくアメリカ時間(つまり日本時間14日深夜)までに決着がつくという意味になります。
破綻処理が順調に終わった場合、金利は先週まで高騰していた状態が急降下、金利安ですので、株価は急騰、売られていた銀行株なども急騰となります。
ドル円に関しても、金利安でドル安になり、リスク回避ですので、ドル高になっていたのですが金利のあまりの下落にドル×金利がマイナスになっただけの話です。
今週は14日にCPI、FOMCと続きます。また短期間で0.25上がるとは考えられず、FOMC前まで今の水準を維持するのではないのかな、と思います。その前に2月のCRB指数をみてCPIが下振れするだろうね、と私は考えていますので、金利が安くなって株価などのリスク資産が急騰になるのであろうね、と思います。
金利があまり動かなくても、雇用はいいのですけど、ドル×金利は双方が双方の足を引っ張り合いをするような感じになるのかな、とは思います。雇用は総雇用は増えましたが、中身の長期失業者や3月の失業保険申請者数などは増えていますので、現状はいいですが、3月は若干悪いだろうね、というのが見えています。
となるとドル円も大して動きはしないね、と思います。ただ、株価に関しては急騰のリスクがある、ということです。
これが前提条件、シリコンバレー銀行の破綻処理が順調に進んだ場合のシナリオになる、ということです。うまくいかない場合は前述した通りです。
ただうまくいかなかったとしても、イエレンが全米の金融システムが強靭であるとコメントした通り、財務省は全力で安定化をさせますので、これをきかっけに大不景気など考えられない、どこかで反転すると思う、というのがシナリオです。
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『
角野實のファンダメンタルズのススメ
角野實のファンダメンタルズのススメ
』(2023年3月13日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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